いまでは「休肝日」はすっかり定着し、休肝日なく飲み続けると健康を損ねるのも常識になっています。

過剰な飲酒がひき起こす、典型的な症状のひとつに脂肪肝があります。

脂肪肝になる日数と「多量」の目安

多量の飲酒を続けると、早い人では4日、遅くとも6日あれば脂肪肝になるといわれています。
 
それでもかまわず飲酒を続けていると、肝炎から肝硬変へと移行し、取り返しのつかない重篤な症状をひき起こしてしまいます。
 
それでは「多量な飲酒」とはどれくらいを指すのでしょうか?目安となる一日あたりの量を紹介します。
 
・日本酒5合
・ビール大瓶5本
・焼酎3.5合
・ワイン2本
・ウイスキーダブルで5杯

 

 
こう書くとかなり多量で、「さすがにそんなには飲まないよ」という声が聞こえてきそうですが、脂肪肝は「飲みすぎ」だけでなく「食べすぎ」でも発症します。
 
お酒を飲む場で食べる料理の多くは、炭水化物・脂質が多めです。さらには夜遅い時間に食べることもしばしば。とどめに「シメのラーメン」なんてこともあります。
 
夜の食事が体に脂肪をつけやすいのは、もはや常識です。
 
たまにであれば問題ありませんが、「遅くまで飲み食い」が習慣になっていては、脂肪肝になるのは避けられません。
 

 
体質によっても違いがありますが、やはり週に1~2日は休肝日が欲しいところです。
 
下の記事で紹介しているように、「全く飲んではダメ」というわけではないので、適量を守って飲みましょう。

適度な飲酒は脂肪肝を減少させる? 日本の調査 適度とは

少し前の報道ですが、飲酒と脂肪肝について、こんな記事がありました。
 
MSNトピックスさん
お酒好きに朗報! 週5回のビールは肝臓にいい
topics.jp.msn.com/wadai/pouch/article.aspx?articleid=603920
(現在は削除されています)
 
日本人男性9885人を対象にした、飲酒と肝臓についての調査です。
 
この記事によると、適度な飲酒は脂肪肝のリスクを減らせるそうです。
 

 
ここでの「適度」とは、ビールなら約1リットル、ワインなら2杯です。
 
この量を厳守できるのであれば、週に5回飲んでもOKだそうです。(元の英文記事では「この量を守れば、週5でパブに行ってもいいよ」と表現されています)
 
MSNトピックスさんおよび元の英文記事の内容をまとめます。なお、どちらの記事にも、日本のどういう機関がこの調査を行ったかは書いてありません。

・適度な飲酒は脂肪肝のリスクを最高で60パーセント減少させる
 
・お酒を全く飲まないか、たまにごく少量を飲むよりも効果が高かった
 
・21日間で3~4回飲む人が最も低リスクだった
 
・男性の場合、頻繁に、適度な量のアルコールを飲むと脂肪肝のリスクを下げることができる
 
・ただし、飲み過ぎは肝硬変など、深刻な肝臓疾患の原因となる
 
・それは、飲み過ぎが肝細胞の炎症を引き起こすのに対して、適量の飲酒は炎症を鎮める効果があるから
 
・脂肪肝の原因としては、飲酒ではなく肥満に注意すべきである
 
・過剰飲酒は肥満の原因になるが、適度な飲酒であれば肥満の危険性はより小さい
 

 
一言補足を。
 
「適量ならOK」という朗報ですが、ここでまたお酒好きの人に耳の痛い話をせねばなりません。
 
飲酒がガンのリスクを上げることはどうやら確定しています。
 
ホドホドの飲酒なら脂肪肝は防げるかもしれませんが、飲む限りガンリスクは上げてしまいます。
 
(私も含め)お酒を飲む方はこの点をお忘れなく。

進む脂肪肝対策 専門外来や評価の変化

以前、このサイトで「NASH」という肝臓の病気についてお知らせしました
 
「非アルコール性脂肪肝炎」と訳され、アルコールを摂取しなくとも脂肪肝から肝炎を発症する病気で、悪化すると肝がんにまで進行することがあります。
 
NASHは日本人の1%ほどが罹患していると考えられています。
 
アルコールの摂取無しに発生する脂肪肝や、NASHについて関心が高まり始めたのは2000年前後からなので、それほど昔の話ではありません。
 
研究が進むにつれ、近年は脂肪肝対策への注目度が高まっています。
 
その傾向の表れとして、専門外来を設置する医療機関が出てきました。
 
慶應義塾大学病院の消化器内科は「NASH・NAFLD外来」を開いています。「NAFLD」とは、「非アルコール性脂肪性肝疾患」のことです。
 

 
こうした外来では、脂肪の排出を助ける医薬品などを用いることで、患者の肝臓組織の線維化を防いでいます。
 
また、これまで肝臓の病気の進行度を測る方法として「肝生検」が用いられてきましたが、最近は「NAFLD線維化指数」という評価法が使われるようになっています。
 
これは肝機能検査の結果に、年齢、肥満度、糖尿病の有無などを加味して肝臓組織の線維化の状態を推測する方法です。
 
これにより、肝機能検査の数値がそれほど悪くなくても、非アルコール性脂肪肝炎と判定されることもあるのです。
 
こうした新しい評価法が生まれてきたことからも、アルコール摂取を伴わない脂肪肝への注目度が高まっていることがわかります。