王貞治監督は06年の7月18日、胃がんを摘出する腹腔鏡手術を受けました。午前9時40分から午後6時47分まで、9時間を超える大手術でした。
手術を担当したのは、主治医でもある慶応大学の北島政樹教授と消化器外科チームの総勢7人。
手術は無事成功し、王監督は21日には退院し、自宅療養しています。
腫瘍の大きさは約5cm、胃の食道側入り口の約1.5cm下から胃の中部にかけて広がっていました。
一部は胃の粘膜下層まで達していましたが、早期がんと診断されています。
がんの摘出には腹腔鏡手術が行われています(この時点では臨床研究段階とされていました)。
腹壁を切らないので回復が早く、負担も少ないため手術後の早期復帰を考えて腹腔鏡手術が選択されたのです。
胃の切除後は、いったん十二指腸を完全に切り離してまずは食道と腸をつなぎ、十二指腸は一方をふさいで腸とつながれました。
リンパ節に一ヶ所転移があり、「センチネルリンパ節検索」という最新技術で除去されました。その他の部位への転移はありませんでした。
手術の傷跡は1.5cmが4ヶ所、0.5cmが2ヶ所、胃の取出しなどのために4cmの傷が1ヶ所の合計7ヶ所です。
王監督が以前に受けた盲腸手術時の傷よりも小さく、出血量もわずか72ccでした。
手術の翌日、王監督は「痛みも無く信じられない」と喜んだそうです。
通常は術後10日ほどで退院できます。
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