ニンニクからアリシンやビタミンB1を摂取するには生で食べるのが最も効果的です。
 
ビタミンB1は熱に弱く、水に溶けやすいため、炒めるなどした場合は生で食べた時の40%程度しか摂取できません。
 
とはいえ生のままでは食べにくいため、酒漬け、酢漬け、オイル漬け、味噌漬けなどにすると良いでしょう。

一日あたりの適量は生ニンニクなら1片、調味料などに漬け込んだニンニクなど加工したものであれば2~3片です。食べすぎると胃の粘膜を荒らしてしまいます。
 
ちなみにニンニク注射とはビタミンB1が主成分の薬液を注射するもので、この薬液はうっすらとニンニクの臭いがします。ニンニクをそのまま注射するわけではありません。念のため。
 
抗生物質の無かったころは赤痢やコレラの治療ににんにくが使われました。生にんにくを食べた時にできるアリシンの抗菌作用を利用していたわけです。ニンニク精油成分の0.5%水溶液はチフス菌を5分で死滅させるほどの殺菌力を持っています。
 
アリシンはニンニク特有のにおいのもとでもあります。アリシンは、体内の脂質と結合すると、脂質アリシンに変わります。脂質アリシンは、体内のコレステロール値、中性脂肪値を下げ、ダイエット効果を発揮してくれます。
 
またアリシンは、自律神経に働きかけて副交感神経を優位に導き、心身をリラックスさせる効果もあります。

いわゆる「無臭にんにく」をうたったサプリメントで、アリシンを除去しているタイプのものは、効力がかなり弱くなっていると考えられます。購入の際の注意点となるのではないでしょうか。
 
また、ニンニクを熟成させた黒ニンニクは、ポリフェノールや抗酸化成分などが普通のニンニクよりも10倍近く多くなっているそうです。
 
にんにくに期待できる効果には次のようなものがあります。
 
■結腸・直腸がん 前立腺がん 胃がん 皮膚の真菌感染予防
■抗疲労作用
■血中コレステロール値や血圧を下げる 
■血栓の生成を抑える
 
WHOは、ニンニクが動脈硬化および高脂血症の予防に有効と発表しています。
 
ちなみに、ニンニクを食べた時のニンニク臭を消すには、リンゴ(リンゴジュースでも可)を食べるのが非常に効果的です。「アリイナーゼ」というニンニク臭のもとを、リンゴが消してくれるのです。
 
念を入れるなら、ニンニク料理の前にあらかじめリンゴを食べておいて、ニンニクを食べた後にまたリンゴを食べれば臭い対策は万全です。
 
ちなみに、ニンニク臭対策として牛乳を飲んでも効果は無いそうです。