独特のぬめりはムチンという物質で、滋養強壮に効果があります。
ムチンにはたんぱく質を体内で無駄なく活用し吸収を高める働きがあります。
これが疲労回復に効果的といわれるゆえんです。
ただし山芋は熱を加えると、この消化吸収の働きが半減してしまいます。生のままで千切りかすりおろして食べるのがベストです。
「山のウナギ」と呼ばれる長芋
長芋は様々な栄養素を含んでいるため、「山のウナギ」とも呼ばれています。
長芋は滋養強壮に良いだけでなく、高血圧対策にも非常に有効です。水溶性ビタミンの一種コリンを含んでおり、コリンには血圧を下げる働きがあるのです。
カリウムも含んでいるので利尿効果と併せて高血圧予防に効果的です。
皮をむいたときのヌルヌル成分はムチンで、コレステロールや糖分が腸内で吸収されるのを防ぐ働きがあります。
アミラーゼ、ジアスターゼといった消化酵素も多く、食べすぎなどで胃もたれを起こしたときにはもってこいです。
山芋と長芋の違い
山芋長芋の違いって、何でしょうか?
一般には長芋、自然薯(じねんじょ)、大薯(だいしょ)の三つをまとめて「山芋」と呼びます。
つまり、山芋の一種が長芋、ということになります。
長芋は山芋の中でも粘り気が弱く、すりおろしてもサラッとしているのが特徴です。そのため、多くは千切りや拍子切りにして酢の物として食べられています。
自然薯は山などに自生しており、テレビなどで「自然薯掘り」として掘り出すのが大変な様子がたまに放送されます。最近は畑でパイプに入れた状態で栽培されているそうです。
粘り気が非常に強く、すりおろしてもそのまま固まりでまとまってしまうこともあります。
大薯は九州を中心に栽培されています。形は様々で、名前の通り大きく成長します。30kgを超えるものもあるそうです。
ムチンは胃の粘膜を保護する働きもあり、胃炎などの胃の疾患を改善する効果も期待できます。ビタミンB1の働きを促すコリンも含まれています。
のりやネギを添えて食べるとうまみや栄養価がさらに増します。