フランス国立医学健康研究所のカレン・リッチー博士の研究チームが、国内の男女約7000人についてカフェイン消費量と記憶力の関係を調べました。
 
4年にわたる調査の結果、コーヒーを飲むと年をとってからの記憶力の保持に役立つとわかりました。
 
調査によると、1日1杯以下しかコーヒーを飲まない女性より、3杯以上飲む女性の方が明らかに記憶力の低下が少なかったそうです。

この調査では教育程度や血圧、年齢や心臓病の有無などの要素が考慮されています。
 
この傾向は高齢になるほど顕著で、記憶力低下防止効果は65歳以上で30%、80歳以上では70%もあったそうです。ただし、このコーヒーの効果は女性特有のもので、男性には確認できませんでした。
 
クロロゲン酸が作用しているのでしょうか?
 
コーヒーが持つ女性だけの効果と言えば、
 
「コーヒーを一日三杯以上飲む女性は結腸がんになるリスクが全く飲まない女性の約半分」
 
という厚生労働省の調査結果もありました。
 
コーヒーは女性に特に優しい飲み物のようです。
 
私以上の世代の人には、何となく「コーヒーって健康に悪い」というイメージがあるのではないでしょうか。
 
しかし実際には、具体的に「コーヒーはこういった理由で体に悪い」といった記事は目にしたことがありません。
 
むしろ、上のように「体に良い」という話ばかりなんですよ。
 
少なくとも、コーヒーを飲むのに後ろめたさを感じる必要は無いようです。

コーヒーで肝がんのリスク軽減

国立がんセンターの研究チームによる調査で、毎日コーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて肝がんになるリスクが半分になることがわかりました。
 
2005年3月発表されました。
 
同研究チームは1990年から10年間、日本全国の40-69歳男女約9万人を調査しています。
 
喫煙などのリスクを考慮したうえで肝がんの発症率を10万人あたりで計算したところ、飲まない人が547.2人であったのに対し、毎日飲む人は214.6人でした。
 
飲む量が多いとさらにリスクが減っています。
 
アメリカで行われた調査で、コーヒーや紅茶をを1日2杯以上飲む人は1杯以下の場合と比べて肝障害が進行する割合は半分に抑えられることがわかっています。(ただしウイルス性の肝炎を抑制する効果はありませんでした)
 
コーヒーがもたらす、これらのメリットを考えると、「健康のためにコーヒーを飲む」というのもオーバーではないのかもしれません。