心は10%の顕在意識、90%の潜在意識から成り立っていると言われています。
つまり、私たちの心のほとんどは無意識の部分で成り立っているわけです。
「よくわからない」「自分では認識できない」割合が圧倒的に多いのです。
呼吸は、通常は自律神経がコントロールしています。つまり、意識しなくても無意識に行われます。
同時に、意識して早くしたり、深くしたりなどのコントロールもできます。
つまり呼吸は自律神経により無意識に行うことも、運動神経により意識して行うこともできるわけです。意識と無意識の接点の動作とも言えるでしょう。
瞑想やヨガによる「悟り」、とまではいかなくても、すばらしいアイディアをひらめいたりするときは、リラックスした状態であるといわれています。そのため、リラックスしている状態で出る脳波のアルファ波は、ひらめきの脳波と呼ばれます。
アイディアを生み出すときは、案外力が抜けて、ふっとした瞬間のことが多く、意識して気持ちが張り詰めている時ではないようです。
「潜在能力が開花した(または顕在化した)」とか、「ひらめいた」といったことは、いずれも呼吸と関係しているとは言えないでしょうか。
潜在と顕在の接点の動作であり、リラックスを助ける呼吸法は、私たちが本来持っているすごい力を引き出してくれるものじゃないかな、という印象を私は持っています。
呼吸法のいいところは、このリラックス効果がすぐ実感できることです。
「カルシウムを取ると気分が落ち着く」とはよく言われます。これは科学的にも証明されていることですし、これを否定する資料を私はまだ読んだことがありません。そこで夜寝る前に牛乳を飲んだりするわけです。
しかし、(意地悪な言い方になりますが)私自身は飲んだあと「あぁ、気分が落ち着いたなぁ」とはっきり実感したことはあまり(全然?)ありません。飲んだあとも活動して興奮状態が続いていたか、カルシウムの効果が出る前に寝たりしていたのでしょうか。
これに対して、意識して深い呼吸をしたときは、間違いなく気持ちが落ち着きます。しかも心の余裕、平常心、といった作用は、その日1日続く気がします。
由美かおるさんが言っていた「人にやさしくできる」というのは私も実感しています。心に微笑をもって生活できる、という感じでしょうか。
心がザワザワしてどうも落ち着かない、安心できないという時は、積極的に深い呼吸を取り入れてみましょう。
これは「床に座って腰を落ち着けて、目を閉じて長く細く吐いて・・・」とか難しいことではなく、日常生活で「ちょっと呼吸を意識する」程度でもOKです。
仕事をしていてストレスを感じたり、腹が立って頭に血がのぼることはないでしょうか?あるいは飲食業などでものすごく忙しくてイライラするとか。
そのような、いかにも交感神経が高ぶっている時に、ふ~っと深く息を吐くのです。これだけでグッと落ち着きます。
現代は何かと交感神経ばかりを使いがちです。理論上は、それと同じ程度には副交感神経を優位にしないと、バランスはとれないはずです。
日頃から深い呼吸を意識して、副交感神経をこまめに優位にしておけば、自律神経もバランスもとりやすいのではないでしょうか。
顕在意識・潜在意識(意識・無意識)と呼吸 自律神経のバランス
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