前ページに続き、抗酸化物質についてまとめます。
 
以下に挙げる食品などには、抗酸化作用が期待できます。

酒は百薬の長!(しかし飲みすぎはダメ)
アルコールには、体内に備わった酵素では消せないもっとも凶暴な活性酸素(ヒドロキシラジカル)を消す力があります。
 
しかし、飲みすぎはいけません。アルコールを分解する過程で活性酸素が発生するからです。
 
※むらお注 近年の研究では、飲酒はがんリスクを上げる確定要因とされています。
 
・唾液
口から入るものの中には魚のこげなどのように、活性酸素を発生させる物質もあります。
 
魚や肉の焦げの成分であるトリプP1は、活性酸素を発生させます。しかし、唾液と混ざることによって危険な性質は和らぎます。唾液には、活性酸素を消す酵素、ベルオキシターゼが含まれているからです。
 
唾液の分泌を促すために食べ物を良く噛むことはとても大事です。
 
(話がそれますが)唾液の分泌に限らず、「良く噛む」ことは、体全体に影響する非常に大事な行為じゃないかな、という印象を持っています。
 
健康に関する資料を読んでいるといろんな分野で良く噛むことの重要性に言及したものを目にします。免疫力、体のゆがみ、脳の発達など、意外なことにも影響しています。
 
・母乳
母乳にも、活性酸素を撃退する力があります。栄養価では母乳に似ている粉ミルクには、この力はありません。
 

 
・コーヒー
コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」という物質には、強い抗酸化力があるといわれています。
 
・ごま 
ごまから作られるごま油は、オリーブオイルと並んで 酸化しにくい性質があります。これは、ごまにセサミノールと呼ばれる抗酸化物が含まれているからためです。
 
セサミノールは肝臓で発生する活性酸素を消すのにとても効果的だという研究結果もあります。
 
・ライチ
「抗酸化力の強い食品」として、ライチを一押ししている資料がありました。
 
ライチにはビタミンCだけでなく、鉄・亜鉛などのミネラル(体内の抗酸化酵素が働くための必須栄養分)、葉酸、ビタミンB2(さびた脂質、つまり過酸化脂質を分解する働きがある)などもバランスよく含まれています。
 
つまりライチは、それ自体が抗酸化成分(ビタミンCなど)を含むと同時に、抗酸化を助ける栄養分も豊富な果物というわけです。
 
「果物の女王」と呼ばれるゆえんでしょうか。
 
日本で流通しているライチは冷凍品が多いですが、それでも抗酸化力は期待できます。
 
美人で名高い楊貴妃のために、当時の中国の玄宗皇帝は使者を八昼夜走らせライチを取り寄せたと言われています。
 
日本ではそれほどなじみのない果物ですが、機会があったら抗酸化力を意識して食べてみてはいかがでしょう。
 
抗酸化物質について 終わり。