「玉ねぎの健康効果」と聞くと、何を連想するでしょうか?

当サイトユーザーさんの中には、「血液サラサラ」が思い浮かぶ方がいらっしゃるかもしれません。
 
しかし実はこれ、玉ねぎの働きとしては正しくないイメージのようなのです。

血液「ドロドロがサラサラに」のイメージは誤り

実は私もこのサイトやメルマガで「サラサラ」といった記述をした覚えがあります。
 
この連想が一般的になったのは、以前放送されていた健康情報バラエティ番組の特集がきっかけではないでしょうか。
 
そもそも「血液サラサラ」という言葉もそうした番組から広まったと記憶しています。
 
しかし最近は「サラサラ」は健康食品のテレビショッピングでも聞かれなくなりました。
 

 
というのも、「玉ねぎを食べると血液がサラサラになる」表現は不適切だとの認識が広がっているからです。
 
この件について、雑誌「週刊文春」に、広島大学病院未来医療センター長・東幸仁教授の解説がありました。
一部抜粋します。

”血液がサラサラ”というイメージは誤りです。
 
玉ねぎを食べる事の効能はあくまで抗酸化。
 
血液の流れを良くしたり、ドロドロの血液がサラサラになる、という事は医学的にあり得ません。
 

それでは、東教授のいう「玉ねぎの効能はあくまで抗酸化」とはどういうことでしょうか?
 
(このコンテンツは週刊文春2016年6/23号(Amazon・PR)129~131ページを参考にしました)
 
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玉ねぎは抗酸化力で動脈硬化を防ぐ FMD値を上げて血管年齢を若く

玉ねぎには、血管内皮の機能を活発にするケルセチンという物質が含まれています。
 
ケルセチンは抗酸化作用が強いボリフェノールの一種で、ケルセチンを多く含む玉ねぎは動脈硬化対策食材として注目されているのです。
 
東教授の解説です。

一日に半分程度食べるだけで抗酸化効果が認められています。
 
海外でも広く認識されており、「Journal of th American College of Nutrition」などの専門雑誌にも論文が複数掲載されています。
 

東教授とハウス食品が、次のような調査を行っています。
 
健康な男性(平均44歳)22人に、ケルセチン51mgを含む濃縮玉ねぎエキスを1ヵ月間毎日摂取してもらいました。
 
そして、摂取前と後のFMDの値を比べたのです。FMDとは、血管内皮の機能を示す数値で、高いほど血管内皮機能が健康であるとされます。
 
健常値の目安は6%以上で、5%未満になると血管が硬くなっていると疑われます。
 
実験の結果、空腹時のFMD値は6.4%から7.2%に、食後のFMD値は5.1%から6.7%へと大きく改善しました。
 
これは血管年齢に換算すると、10~20歳の若返りを意味します。タマネギの成分が血管内皮機能を若返らせたのです。
 
この実験で摂取したケルセチン51mgは、タマネギ約200gに相当します。小さい玉ねぎなら1個、大きい玉ねぎなら半個くらいです。
 
玉ねぎ
 
ケルセチンは水に溶けるので、玉ねぎを切った後水にさらすのは、ケルセチン摂取の観点からは勧められません。
 
一方でケルセチンは熱に強く、さらには油で炒めると5%ほど量が増えることがわかっています。なので玉ねぎを油で炒める料理はオススメです。
 
私は年代的に「玉ねぎ=サラサラ」のイメージが強いですが、今後は抗酸化食品として食べるよう心がけてみます。
 
(このコンテンツは雑誌「壮快」2014年04月号36~37ページを参考にしました)
 
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