当サイトは菜食主義に懐疑的であり、肉もほどほどに食べるべきと考えています。
 
しかしその肉にも好ましいものとそうでないものがあるようで、「週刊文春」に特集がありました。


 
「老けない肉・老ける肉」という記事で、平たく言うと、健康面でおすすめできる・できない肉のまとめです。
 
文春の記事から、「老けない肉」ベスト5と「老ける肉」ワースト5を抜粋します。
 
「健康維持には肉」の認識を深めるため、ひとつの参考にしてみて下さい。
 
(この記事は雑誌「週刊文春」平成30(2018)年1月4日・11日号238~243ページを参考にしています)

老けない肉 ベスト5

老けない肉 ベスト5(1位は二つあります)
 
1位 鶏むね肉(皮なし)と鶏ささみ
2位 豚ひれ赤肉
3位 豚もも皮下脂肪なし
4位 鶏むね皮つき
5位 輸入牛ヒレ赤肉

 
「ベスト」評価になったのは、高タンパク質・低脂質の鶏むね肉とささみです。
 
鶏肉は抗酸化物質が多く含まれ、体内の酸化を防ぎ、老いを遠ざけてくれます。
 
2位のひれ肉には、
 
・筋肉を強化するロイシン
・セロトニンの原料になるトリプトファン
 
など、体内で作られない様々な必須アミノ酸が豊富です。
 
セロトニンは、快眠や精神の安定に欠かせない神経伝達物質です。
 
豚肉にもアンセリンやカルノシンといった抗酸化物質が多く、体内で発生する活性酸素を抑制してくれます。
 
4位の鶏むね皮つきには、若返りに必須のコラーゲンがたっぷり。コラーゲンが不足すると肌のたるみや、カサつきを招きます。
冷たいフライパンの上に皮目を下にして鶏肉を乗せ、強火ではなく弱火でじっくり焼くと余計な脂が落ちて、コラーゲンは肉の中に残るのでおすすめです。
 
以上挙げた以外にも肉にはヘルシーな成分が含まれています。
 
次に紹介します。
 

健康に良い成分が含まれる肉・部位

そのほか、健康に良い効果が期待できる肉や部位をまとめます。
 
・ラム肉
含まれるカルニチンが脳のアセチルコリンの産生を促し、老化やアルツハイマーによる記憶力低下を防ぐといわれています。
 
・イベリコ豚
ドングリを食べさせて育てるスペイン原産の豚。オリーブオイルなどに含まれる一価不飽和脂肪酸が多く、血管の老化を抑制してくれます。
 
・牛・豚のレバー
筋肉再生と疲労回復に役立ちます。神経細胞を生成するアラキドン酸が含まれているため、脳・肌の抗老化を助けます。
 
・ハツ(心臓)
コエンザイムQ10が豊富。細胞が酸化するのを防ぐ強い抗老化作用が期待できます。

老ける肉 ワースト5 脂質の量がキモ

逆に、「老ける肉」の評価を受けているのは、タンパク質に比べて脂質の割合が高い肉です。
 
老ける肉 ワースト5
 
1位 和牛バラ脂身つき
2位 豚ベーコン
3位 和牛肩ロース脂身つき
4位 和牛肩ロース皮下脂肪なし
5位 豚バラ脂身つき

 
バラ肉はカロリーオーバーで肥満を招きやすく、中性脂肪の数値も一気に上昇します。(美味しいですけどね・・・)
 
「ワースト」のほうに「国産肉」が多いですが、その理由を記事では
 
国産のほうが脂質量が多いため
 
としています。
 
これは「サシ」が入っているほうが好まれるからと考えられます。
 
脂質の多い肉がとれるよう、家畜の飼料に穀物を入れるなどの工夫をあえて行っているのです。
 
サシ入り肉は確かに美味しいですが、健康面を考えるオススメできないようです。

加工肉はやはりイマイチ

文春の記事で、ほとんどの専門家が「老化を促進する」として挙げていたのが、ベーコンやソーセージなどの加工肉です。
 
その理由は塩分の多さと添加物の多さです。これまでに様々な媒体で指摘されています。
 
ちなみにひき肉はどの部位を使い、どれだけの脂質が含まれているかわかりにくいため、記事では「お勧めできません」という評価です。
 
またひき肉は空気に触れる表面積が広いため、酸化が進みやすい点もマイナスです。
 
この点を考えると、
 
ひき肉よりスライス肉、スライス肉よりもブロック肉
 
が理想的です。
 
ハム

肉を食べるコツや食べ合わせ

そのほか、この記事から「へ~」と思ったポイントを挙げます。
 
・肉を食べるのに最適な時間は朝食か昼食
 
これは午前中~昼が、肝臓の動きが最も活発だからです。
 
肉に含まれるアミノ酸を分解したり、それを使って組織を合成するのは肝臓の働きです。つまりこの時間帯に食べると肉の栄養素を最も吸収・活用しやすいのです。
 
18時以降になると肝臓の働きは悪くなるので、肉を食べてもかなりの割合で無駄になってしまいます。
 
また胃の機能も昼の12時頃が最も活発なので、胃もたれを起こしにくいのです。
 
・肉を焦がしてしまうと栄養素にならない
 
肉が焦げるとタンパク質が変性して、栄養素ではなくなってしまいます。
 
中心部が75度に達すれば安全に食べられるので、強火で焼くより、弱火でじっくり加熱するのがコツです。
 
・良い「食べ合わせ」例
 
「食べ合わせ」については、かなりの情報が出回っていますが、ここで改めて簡単にまとめておきます。
 
牛肉+ビタミンCで貧血予防効果アップ
 
牛肉+ベータカロテンを含む緑黄色野菜で美肌効果アップ
 
豚肉+玉ねぎ・ニンニクで疲労回復効果アップ
 
鶏肉+ニンニクでストレス緩和効果アップ
 
玉ねぎ
 
「健康・長寿のために肉」はすでに定説になった感があります。
 
単に肉を食べてもOKですが、こうした「キモ」をおさえて食べることでさらに健康効果を得られるのではないでしょうか。
 
またここまで紹介しておいて何ですが、「老ける」「避けるべき」とされている食品でも私はこれまで通り食べます。
 
そればっかり習慣として食べるわけではありませんし、たまに食べることで健康状態が左右されるとは思いません。
 
以上紹介した内容は、あくまでも参考程度にご覧ください。