マラリアは日本ではまず縁のない病気ですが、大型連休などを利用して「アフリカに行ってきた」という場合、注意が必要かもしれません。
アフリカから帰って2週間以内に発熱した場合、マラリア感染の可能性があるのです。
発熱から5日以内に適切な治療を施さないと死亡することもあるので、「カゼだろう」などと軽視してはいけません。
マラリアはマラリア原虫が病原体であり、ハマダラカ(以下「蚊」と表記します)によって媒介されます。マラリア原虫は蚊の唾液中に集まる性質があるのです。
蚊は人間の血を吸う際、血液が固まらないように唾液を注入します。この時に蚊の唾液と一緒にマラリア原虫が人間の体内に入ることがあり、これがすなわちマラリア感染です。
人間の体内に入ったマラリア原虫は肝細胞内で増殖を始めます。
マラリアに感染する人は世界中で年間3~5億人、そのうち死者は100~150万人にも達します。
被害が最も深刻なのはサハラ砂漠以南のアフリカ諸国で、これらの国に出かける場合は特に注意が必要です。
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予防には、とにかく蚊に刺されないようにすることが大事で、虫除けスプレーや蚊帳などを適宜利用しましょう。
不幸にして感染してしまった場合、40度ほどの高熱が出ます。熱は比較的短時間に下がりますが、一定時間(48~72時間)ごとに熱が高くなることがあります。
一旦熱が下がるために安心してしまうのですが、必ず医療機関で診察を受けて完治させなくてはいけません。
最近は地球温暖化の影響でマラリアの発症地域が広がっているという指摘もあります。