腎臓内の尿を作る器官、糸球体が破壊され、尿を作る機能が低下した状態を慢性腎炎、症状が進行すると慢性腎不全となります。
糸球体は血管が毛糸球のようにからまった器官で、血液中から老廃物や余剰物を濾過して取り出し、尿中に排出する機能を持っています。
糸球体は一つの腎臓に約100万個もあり、多少破壊されても腎臓の機能は維持されます。
しかし破壊が広範に及ぶと尿を作る機能が低下し、老廃物や余剰物が体内にたまってしまいます。しかし厄介なことに、この状態でも自覚症状がほとんどありません。
たんぱく尿、高血圧、むくみ、血尿といった症状が代表的ですが、たんぱく尿は尿検査をする必要がありますし、血圧も測定しなければわかりません。
血尿も少量の血液が混じる程度では肉眼で確認できない場合もあります。
むくみは、慢性腎炎特有の症状ではありませんが、肉眼でわかる兆候の一つとして見逃さないようにしなければいけません。
慢性腎炎から慢性腎不全に至ると、頻尿、むくみ、疲労、眠気、皮膚のかゆみ、吐き気といった症状が現れます。
尿を作る機能が著しく低下し、体内に老廃物などがたまると尿毒症になり頭痛、けいれん、呼吸困難、吐き気などをおこし、人工透析が必要になります。