少し前にカゼをひいた際、久しぶりに病院に行ったときのこと。
 
待合室にCKDの注意を喚起するポスターが貼ってありました。

CKDとは慢性腎臓病のことで、実は私はこのポスターを見るまでCKDを知りませんでした。
 
このコンテンツでは、CKDなどについて調べたことをまとめています。

CKDの現状 患者の割合

現在は成人の8人に1人(1330万人)がCKDなのだそうです。
 
しかも管理人が住む熊本市はCKDによる人工透析者数割合が、全国比で1.4倍と高い状況にあるのだとか。
 
私はポスターを見るまでCKDについてほとんど関心が無く、8人に1人と知って「そんなに多いのか!」と少なからず驚きました。
 
腎臓の機能が60%以下になるか、たんぱく尿などの異常が3ヵ月以上持続するとCKDと診断されます。
 
(ちなみに機能が50%以下に低下した場合は慢性腎不全、10%以下になると末期腎不全と呼ばれます)
 
腎機能が低下する原因として急激に増加しているのは糖尿病です。
 
「糖尿病予備軍」と呼ばれる人が最近は5人に1人、なんて話も聞くようになりました。CKDにかかる人と、糖尿病およびその予備軍の人達はかなりの割合で重なっているのでしょう。
 
腎臓病は尿検査などで兆候がわかるのですが、本人は特に不具合を感じないため、検査結果をつい軽く考えてしまうことが多いようです。
 
腎機能の低下が進んで透析が必要になると、日常生活に大きな負担がかかります。
 
タンパク尿や血尿、あるいは尿糖など、腎臓病の指標が発見されたら、生活習慣の改善などの対策を検討しましょう。

腎臓病の食事療法 たんぱく質・塩分の摂取量目安

慢性腎臓病にかかってしまった場合、食事療法でたんぱく質と塩分の摂取量をコントロールします。
 
たんぱく質や塩分をとりすぎると腎臓に負担をかけるため、これらの摂取量を制限して、働きが弱っている腎臓を保護するわけです。
 
これにより腎機能の低下・腎不全の悪化を抑えたり、たんぱく質を分解・代謝してできる老廃物の体内蓄積を防ぐのです。
 
健康な人であれば、一日のたんぱく質摂取量は50~70グラムで、体重1kg あたり1g が目安です。
 
慢性腎臓病にかかってしまったら、たんぱく質は標準体重1kg あたり0.8g 未満に制限します。標準体重は身長(メートル)の2乗に22を掛けることで算出します。
 
身長が160cmの人なら標準体重は1.6×1.6×22=56.32kgになります。
 
よって、この人が慢性腎臓病になった場合、56.32×0.8=およそ45 で、一日のたんぱく質は45g 未満に制限します。
 
卵や肉、魚といったたんぱく源だけでなく、たんぱく質は主食であるご飯にも含まれているため、必要であれば「低たんぱくご飯」も利用します。
 
ご飯から摂るたんぱく質を減らすことで、その分おかずを増やすこともできるわけです。
 
食塩量は一日6グラム以下を目標にします。これは日本人の平均摂取量のおよそ半分です。
 
ここで紹介したたんぱく質や食塩の制限量は目安です。腎臓病の症状の重さ、体格、性別、年齢などで、各人ごとに数値は異なります。
 
具体的な内容は医師と相談して決め、医師の指示に従いましょう。

腎臓病と血管の病気

腎臓病というと、進行することで透析が必要になる、というイメージが強いですが、最近は血管の病気との関連も指摘されています。
 
複数の研究所で行われた調査で、腎臓病が脳卒中や心筋梗塞などの危険因子である、という指摘が相次いでいるのです。
 
一般に、こうした病気の危険因子と言えば喫煙、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病といったものですが、最近ではこれらを抑えて腎臓病がもっとも危険な因子であるという意見もあります。
 
末期腎不全まで進行して人工透析が必要になるよりも、それ以前に心臓の血管などを悪くして亡くなる患者の方が多いという報告もあります。
 
GFR30~60%未満の腎臓病患者が5年以内に透析に入る確率は1.3%ですが、心血管病で亡くなる確率は24.3%という調査結果があるのです。
 
GFRとは腎臓の糸球体が1分間にどれくらいの量の血液をろ過し、尿を作る能力があるかを表す指標です。
 
健康診断などでわかる検査項目で腎臓病と関連するものとしては
 
「尿タンパク」
「血清クレアチニン」
 
がよく知られていますが、それともうひとつ
 
「血圧」
 
も腎臓病と密接に関係しています。
 
高血圧は糸球体の機能を低下させる原因になり、さらに尿タンパクを出しやすくなってしまうのです。
 
腎臓疾患は自覚症状がほとんどありません。日頃の生活管理と健康診断などによる予防が非常に大事です。