腎機能をチェックする際、「尿素窒素」と「クレアチニン」の二項目の数値は必ず記載されています。
 
尿素窒素は、体内でたんぱく質が使われたあとの残りかすのようなもので、血液中の尿素に含まれる窒素分です。
 
通常は腎臓で濾過されて尿として体外に排出されます。


 
クレアチニンもたんぱく質が分解されてできる老廃物で、こちらも腎臓の働きで尿として体外に捨てられるものです。
 
腎臓の濾過機能が十分に働いていないと、これらの老廃物が血液中に残ってしまいます。血液検査をして残り具合を調べれば、腎臓が適切に機能しているか判定できるわけです。

尿素窒素の基準値 外部要因に左右されやすい

尿素窒素の基準値は8~20mg/dl 程度で、これより少し高くてもあまり気にする必要はありません。
 
尿素窒素の数値は次のような場合にも上昇します。
 
・運動による疲労
・高たんぱくの食事を多くとった後
・加齢により腎機能が衰えている
・脱水症状で血液がドロドロになっている
・内臓のがんなどで出血がある

 

 
つまり、尿素窒素の数値は外部要因で変動しやすいのです。

クレアチニン基準値 外部の影響を受けにくいが検査時間は注意

対してクレアチニンは外因には左右されません。
 
そのため腎機能を計るのに適切な指標といえます。
 
クレアチニン測定においては、検査する時間帯で数値に差が出る点は要注意です。午前中より夕方が高くなる傾向にあるのです。
 

 
クレアチニンの基準値は男性で0.7~1.2mg/dlで、女性はこれより1~2割低くなります。
 
クレアチニン数値は高くなるほど腎臓の機能が弱っていることを示しています。
 
数値が3.0mg/dl を超えていると、相当大量のクレアチニンが血液中に出ていることになります。
 
腎臓の半分以上がダメージを受けており、腎不全と呼ばれる状態です。7mg/dlとなるとすでに末期症状と考えられ、腎臓はほとんど機能していないと考えられます。
 
こうなると人工透析が必要になります。