父親が太っていると息子が、母親が太っていると娘が肥満になりやすいという研究結果があります。
 
イギリスのプリマス・ペニンスラ医療学校が226世帯を対象に3年間行った研究で判明しました。

このコンテンツでは、親や家庭環境など子供が肥満になる要素についてまとめています。

父親と息子 肥満の関連

ペニンスラ医療学校の調査では、父親が太っていると息子が肥満になる確率は、父親が太っていない場合よりも6倍高く、同様に母親と娘の関係では10倍高いことが判明したのです。
 
しかし、「父親と娘」「母親と息子」といった、「異性の親子関係」ではこうした傾向は見られませんでした。
 
つまり、「同性の親子」では親が太っていると子も太りがちというわけです。
 

 
研究チームはこの理由として「子供が同性の親の行動を真似するからではないか」と推測しています。
 
息子が父親、娘が母親の食習慣・運動習慣を真似るのはわかる気がします。
 
肉や魚、野菜の好み、甘いものが好き、間食が多い、運動が好きか嫌いか、といった習慣は、子供は親から多大な影響を受けます。(というより、ほぼ全てが親からの影響?)
 
遺伝的要素もありますが、日頃の行動は最も強く影響すると言っていいでしょう。
 
「メタボにならないよう、食事や運動に気をつけている」という場合、それは本人だけでなく子供の将来の生活習慣病も予防しているのかもしれません。

「子供の肥満は親の責任」「施設に入れるべき」に非難殺到

最近は日本でも、子供が生活習慣病にかかると話題になっています。
 
周囲を見回すと、確かに「太めの子が増えたかな?」という印象があります。
 
とはいえ、やはり欧米諸国のほうが日本よりも深刻で、アメリカには極端に肥満した子供が200万人いるそうです。
 
子供の肥満は親の責任であるという認識も広がっています。
 

 
2011年の7月には、「極端に肥満した子供を救うため、行政が介入して子供を親から引き離して施設に入れるべき」と主張する論文がアメリカで発表されました。
 
子供の肥満は親のせい? 米論文「施設に入れるべき」に怒りのメール
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110809/bdy11080916350001-n1.htm
(現在削除されています)
 
さすがに抗議が殺到したようですが、この件は子供の肥満と家庭環境についての議論が活発であることを示しています。

子供が太りやすい家庭の特徴 母親が働いていると…

オーストラリアのシドニー大学が、子供が肥満しやすい家庭環境について調査しています。
 
それによると・・・

■ソフトドリンクがいつでも飲める
■子供部屋にテレビがある
■よくファストフード店で食事をする
■テレビの前で食事をする
■1マイル(1.6km)以下の移動に車を使う
 

 
・・・といった家庭は、子供が太りやすいそうです。
 
米アメリカン大学の調査では、母親が外で働く時間が長いほど、子供が肥満傾向にあると分かりました。
 
働いている母親はご飯を作る時間が無く、カロリーが高くなりがちな出来合いの料理や外食を子供に食べさせるケースが多いからと考えられています。
 
コンビニ弁当
 
私としては、子供が太ってしまうのは親の責任によるところが大きいと考えています。
 
ソフトドリンクを常備しない、常備するなら糖分の入っていない麦茶などにする、あたりはすぐにでも実行できますし、何の役にも立たないどころか、害ですらあるテレビは思い切って処分しても良いのではないでしょうか。
 
子供が太る要因を減らせるだけでなく、節電にもなって一石二鳥です。

肥満は伝染する?アメリカでの研究(管理人の友人の例も)

上の記事で「同性の家族間では体型が似ることが多い」と紹介しました。
 
これに関連して、米国のフラミンガム研究所が「肥満は伝染する」という研究結果を発表しています。
 
2007年7月発行の医療専門誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載された研究内容によると、家族以外の人間関係でも体型が似てしまうそうです。
 
家族や知人など、周りに太っている人がいると本人も太りやすくなるのです。
 

 
具体的にはこんな感じです。

・夫婦のどちらかが肥満の場合、そのパートナーが将来肥満になる確率は、そうでない場合に比べて37%増加する
 
・兄弟や姉妹に肥満の人が一人いると、その他の人が肥満になるリスクが40%高くなる
 
・肥満の人を友人に持つと、本人が将来肥満になる確率は57%も上がる この場合、同性同士の方が肥満はうつりやすい

 
近くにいる人は食生活や運動習慣が似てくるのでしょうか?
 
この研究結果にあてはまると思う個人的な例をひとつ。
 
長崎に住んでいる私の友人で、学生時代は非常にやせていた男がいました。彼は社会人になってしばらくすると、少しポッチャリした女性と結婚しました。
 
それから数年、送られてきた今年の年賀状には、幸せそうな二人の写真がありました。それを見た私は「誰?」と一瞬当惑してしまいました。
 
「幸せ太りにもホドがあるだろー!」(゚ロ゚;)
 
あれだけやせていた彼の顔はまん丸になり、顔と首の境目が無くなっていました。奥様もやや太られたような。
 
これは単に「幸せ太り」の例でしょうか?