アメリカ疾病センターの調査によると、1960年からの40年間に、米国の成人男女の平均体重は約10kg増加しました。
米小児学会の報告では、4歳から19歳の子供の三分の一近くが毎日ファストフードを食べています。
OECDの調べでは、肥満比率が米国についで高いのはメキシコで24.2%、3位はイギリスで22.0%となっています(05年時点)。
食の変化 日本と米国で肥満率逆転?
05年時点では確かに米国の肥満率は高いかもしれません。
しかしこれからは日本の肥満率も米国なみに高くなり、逆に米国はより「健康的」になっていくような気が私はします。
というのも米国では魚食が非常に増えています。
これは和食ブームという一過性の要素があるかもしれませんが、米国で和食が受け入れられたのは何より健康的だからという理由があります。
「身体に良い」という食事の必須条件といえる理由があるのならば、和食が米国の食習慣に定着することも十分考えられます。
ブームという一過性のもので終わらない可能性が高いのではないでしょうか。
反面日本はどうでしょうか。
魚食量は年々減少し、肉食が増えています。大腸がんや循環器系の疾患など、いわゆる「食習慣の欧米化が原因」とされる病気は増加し続けています。
日本では和食がだんだん忘れ去られているように感じるのは私だけでしょうか?
アメリカで「健康的」としてもてはやされている和食が、日本では影が薄くなっているというのはなんとも皮肉な気がします。
肥満になるかは生後すぐ決まる アメリカの研究から
肥満になるかどうかは生後8日で決まるというデータが、アメリカのペンシルベニア大学などの研究チームによって05年4月に発表されました。
調査対象になったのは赤ちゃん時代に体重などの詳しいデータが残っていた20~32歳の653人です。
現在の身長、体重から算出した体格指数(BMI)と、赤ちゃん時の体重の増え方を調べた結果、生後8日までの体重の増え方が大きい人ほど太りすぎになる率が高いことがわかったのです。
研究チームは「肥満が原因による慢性病にかかりやすい体が、生後のごく初期にできてしまう可能性がある」と結論付けています。
この記事だけでは、生後体重がどの程度増加すれば将来肥満になりやすいのか、がよくわかりません。
もし気になるようであれば、医師などに体重の変化について聞いてみましょう。赤ちゃんの平均的な体重増加率と比べてみれば、体重が増えやすいのかどうかがわかります。
産まれたばかりであまりに先のことを心配しすぎるという意見もあるかもしれませんが、ひとつのデータとして頭に入れておくと食生活や運動の方針を決める際の参考になるのではないでしょうか。
この記事を過信しすぎるのもいけないと思いますが、将来その子が肥満になりやすいかどうかの判断材料のひとつにはなるでしょう。