先日BSのテレビ番組を見ていたら、子供に生野菜や果物しか食べさせない母親、というオランダのドキュメンタリーがありました。
 
ド真ん中の健康トピックだったので、思わず真剣に見てしまいました。
 
その母親は加熱した食べ物は健康を害すると信じ込んでいます。
 
学校ではローフードの摂取は難しいとの考えから、息子(トム君)に義務教育を受けさせていません。

14歳になってもトム君は伸長が低いままです。
 
医師の診断では、トム君にはたんぱく質と特定の脂肪分が不足しており、成長曲線がアフリカの栄養失調の子供と同じで、発育不全と結論づけられています。
 
 
親子がセカンドオビニンオンを求めた医師からは「トムが魚を食べれば成長が追いつく可能性がある」と伝えられますが、母親は魚の水銀汚染を懸念して魚を与えるつもりはないのだとか。
 
 
児童福祉審議会は、母親がトムを虐待しているとして裁判所に訴えていますが、番組を見た限りでは、親子の関係は良好のようでした。(ただし父親は別居しているそうです)
 
 
「酵素を摂取する」という理由などから、近年はローフード摂取が流行しています。
 
とはいえ、いくら生食を熱心に提唱する人でも、このケースはやりすぎと感じるのではないでしょうか。
 
私も生食の有効性は認めており、野菜などを意識して生で食べることはあります。最近は生のニンジンにオリーブオイルをちょっとつけてボリボリかじったりもします。
それでも、習慣的に意識してローフードを食べるのはそれくらいで、火の通った食品が圧倒的多数です。
 
 
「生で食べたほうが良さそうだな」と感じるケースがあるのは認めますが、やりすぎはダメでしょう。(ちなみに私は、本来人間は火を通したものを食べるのが自然じゃないか、と考えています)
 
このオランダのケースでは、トム君に必要な栄養素が不足している可能性は極めて高いはずです。火を通した食品もほどほどに食べていれば、健康状態は改善されていたのは間違いありません。
 
 
健康トピックでは、「ほどほど」が良いと強調されることがしばしばあります。
 
ローフードも同様で、あまり極端に走るとかえって健康を害してしまうのではないでしょうか。