慢性的に航空機騒音を聞いている空港近くの子供は、認知機能の発達に遅れが見られるとする研究が、05年6月4日付けの英医学誌「ランセット」に発表されました。
これは空港近くに住む児童約2800人のデータを基に割り出されました。
子供はいずれも9歳か10歳で、騒音レベルが5デシベル上がるごとに、特に読解力については2ヶ月程度の遅れが生じると結論付けています。
騒音の大小には20デシベルの差があり、それにより最大で8ヶ月程度の読解力の遅れが生じるとしています。
この研究で不思議なのは、同様に調べた交通騒音については、逆に記憶レベルが上がる場合もあったことです。
しかし飛行機・車いずれの場合でも、子供の生活の質が低下していることには変わりありませんでした。
ドイツでは、ミュンヘンの大型国際空港が開港された周辺の小学校と、閉鎖された旧空港周辺の小学校で学力の比較調査が行われたことがあります。
この調査で、閉鎖された空港周辺の小学校では児童の読解力・記憶力が向上し、新空港周辺の学校の児童は学力が低下したことがわかりました。
日本で行われた調査によると、航空機の騒音に日常接している子供には
・カゼをひきやすい
・食欲不振
・人間関係に消極的
という特徴が見られました。
飛行機の発着音が生活の一部になっていて慣れていることが考えられるとはいえ、やはり騒音は無意識にでも影響を与えているようです。
飛行機・車の騒音と子供の学習能力
- 更新日:
- 公開日: