工学博士の武田邦彦さんは、健康についてこうしたことを心がけています。

「50歳を過ぎてからは健康診断を一度も受けていない」
「食べたいものを好きなだけ食べる」
「お酒は一日四合飲んで、休肝日は無し」


 
一見破天荒な生活のようですが、これは複数の専門家に話を聞き、多くの論文を参考にした、科学的データに裏付けられたものです。
 
武田教授が健康を考えるうえで大前提にしているのは
 
「自分の体を一番よく知っているのは、自分自身である」
 
と信じることです。
それを実現するためにも、武田教授は常に自分の体を観察して、感覚を研ぎ澄ましています。
 
体重管理はその「観察」のひとつです。
 
長年の経験から、60~61kg(身長は161.5cm)をベスト体重としており、63kgを超えると病気になるなど体調を崩してしまいます。
 
体重は朝食前に毎日計ります。60kgを下回っていたら、朝食の量を増やし、ベスト体重に合わせます。逆に61kgを少しでも超えていたら、朝食を減らすのです。
 
食生活では、脂肪分をよくとるように心がけています。なぜかというと、
 
「脳の中にある脳細胞は、油(脂肪分)で絶縁されている」
 
からです。
 
体の神経細胞は、いわば複雑に配線された電線のようなものです。一本一本の電線がきちんと絶縁されていないと、漏電が起こって脳細胞がショートしてしまい、脳からの信号がスムーズに伝わらなくなります。
 
武田教授によると、この状態も認知機能の低下につながってしまいます。
 

 
油に関して多くの本を読み、論文を調べるなどして慎重に検討したところ、
 
「総じて植物性の油は、人間の体にはよくない成分がある」
 
という結論に達しました。
 
「サラダ油は特に危険」と考えているため、サラダ油は使わずにラードや牛脂などを使うようにしています。
 
この記事は雑誌「壮快」2018年8月号122~123ページを参考にしました。