糖尿病は血液中に血糖が異常に多くなった状態です。
なのでその血糖の量をコントロールすることが糖尿病対策のポイントになります。
このコンテンツでは、その方法として運動療法とインスリンポンプについてまとめています。
運動療法の効果とやってはいけないケース
運動療法は、高くなった血糖値を運動を行うことで下げる目的で行われます。国内糖尿病患者の9割を占める2型糖尿病に有効とされています。
「2型」とは、食習慣の乱れや運動不足、肥満といった理由で発症する、いわゆる生活習慣病の糖尿病ですね。
対して、免疫機能の不調により20歳未満に多く発症する1型糖尿病の場合は運動療法の効果はよくわかっていません。
運動療法の主なねらいとしては、
1 血液中の血糖量を直接減らす
2 インスリンが効きにくい状態(インスリン抵抗性)を改善する
の二つがあります。
食事をすると血糖値が上昇します。
そのピークは食後1時間ごろに訪れるため、このタイミングで適度な運動を行うことで血糖をエネルギーとして消費し、結果的に血糖値を下げるわけです。
これが1のねらいになります。
糖尿病はインスリンの効果が弱まることによって発症しますが、運動で筋肉を動かすとインスリンの働きを活性化させることができます。
結果的に血糖値を下げる効果があり、2のねらいはここにあります。
運動療法ではウォーキング、ジョギング、水泳など有酸素運動を中心に行います。筋肉をつけるための筋肉トレーニングをすることもあります。
ただし、最高血圧が180mmHg以上、あるいは腎臓機能が低下しているなどの状態で運動を行うと症状が悪化することがあります。
自己判断で運動を始める前に、一度医師に相談すると安心です。
糖尿病治療インスリンポンプ 特徴や費用 問題点
糖尿病で血糖値をコントロール手段として、現在最も一般的なのはインスリン注射によるものです。
インスリン注射は高い効果が期待できますが、注射の手間や、人目が気になるといった問題点もあります。
当然のことながら寝ている間は注射ができないため、夜から朝にかけてインスリン切れによる高血糖状態を引き起こす危険性も懸念されます。
このような、注射による欠点を克服する手段として、インスリンポンプを使う方法があります。
インスリンポンプとは、簡単には「インスリンを決められた時間に、自動で注入してくれる機械」で、見た目や装着した様子は、少し前に広く利用されていた「ポケベル」を少し大きくした感じです。
この機械から延びたカテーテルが腹部などの皮下に挿入され、即効型のインスリンが分泌される仕組みになっています。
カテーテルが常時皮下に入っているわけですが、慣れると違和感はほとんど感じなくなるようです。
また装着していることが見た目にはほとんどわからないため、人前でも気兼ねなくインスリンを補充することができます。
さらに機械に時間をセットしておくことで、夜間でもインスリンの自動注入が可能です。つまり、就寝中でも血糖値のコントロールができるわけです。
長所が多いインスリンポンプですが、欠点もあります。
最も大きな欠点は費用面での負担ではないでしょうか。
インスリンポンプは注射療法よりも費用が高いのです。(保険は適用されます)
インスリンポンプは一台あたり50万円ほどかかり、使用する際には医療機関から患者へのレンタルという方法がとられています。
それでも、チューブの交換費用などもあり、患者の負担は注射療法に比べて月数千円高くなってしまいます。
こうしたデメリットも、現在は少しずつながら改善されています。
日本での認知度はまだ低いですが、ライフスタイルなども考慮して、医師と相談しながらインスリンポンプを検討してみるのも良いのではないでしょうか。