歌手の原田悠里さんは、2001年に突然耳鳴りと難聴に悩まされるようになりました。
 
「リンリンリン」というきれいな音だったので、最初は耳鳴りとわからず、レコーディングでも「この曲って、鈴の音が入ってるのね」思ったほど。

(このコンテンツは雑誌壮快 2017年2月号150~151ページを参考にしています)


しかしそのうち、寝る時にも聞こえるようになり、耳鼻科を受診することになりました。
 
診断の結果は、左耳の突発性難聴。鈴の音は、難聴に伴って起きたものでした。
 
医師
 
その後、大学病院や大きな専門病院で治療を試みましたが、耳鳴りも難聴も全く改善されません。
 
処方された薬を飲むと、めまいで目がグルグル回り、耐えられなくなります。かといって薬の量を減らすと、今度は難聴がひどくなります。
 
原田さんは「このままどんどん悪化して、歌えなくなったらどうしよう?」と不安でいっぱいになりました。
 
そのころは歯周病にも悩まされていて、疲れがたまると歯にズキズキと痛みを感じていました。ひどい時は痛みが頭まで響きます。
 
各地の公演先で歯が痛み出すと、近くの歯科に飛び込みで見てもらっていました。
 
ある時、長坂斉(ひとし)医師の歯科医院をたまたま訪れました。するとそこで原田さんは驚きの診断をされます。
 
長坂医師は「原田さんの耳鳴りや難聴の原因は、歯のせいです」と断言したのです。
 
原田さんには食事の際に特定の歯ばかりを使う「噛みグセ」があり、それが耳の不調を引き起こしていたのです。
 
長坂医師から

噛むことと聴力とは、密接な関連があります。歯周病を治療して、すべての歯でバランスよく噛めるようになれば、耳鳴りも突発性難聴も、きっと治るでしょう。

とアドバイスされ、さっそく歯周病の治療と噛みグセの矯正トレーニングを始めます。
 
トレーニングはティッシュを折って丸めたものを噛む「ティッシュ噛み」で、暇を見つけて実践しました。
 
さらに、左の奥で噛むクセがあったため、食事では左右の歯を偏りなく使って噛むよう心がけました。
 

 
長坂歯科に通い始めたのは夏のはじめごろ。それから秋を迎える頃には状態は大きく改善しました。
 
そして3年連続で紅白出場を果たします。
 
年が明ける頃には、耳の状態はほぼ完治しました。耳鳴りは無くなり、難聴もすっかり改善して悩まされることはなくなったのです。
 
一時期は自分の声や曲が聞きにくくなり、歌手生命のピンチでしたが、いまでは元気に歌手生活を続けています。