ストレスの多い社会を反映してか、「気持ちが癒される」「ヒーリングミュージック」といったジャンルの音楽が増えています。
 
アマゾンなどでも、これらの音楽を収録したCDは総じて高評価のようです。

癒し系音楽に触れる機会が増えるにつれ、「1/f (エフぶんのいち)ゆらぎ」という言葉を目にすることも多くなっています。「1/f ゆらぎがあなたを癒します」といったコピーに使われてます。
 
ヘッドホンで音楽を聴く女性
 
癒し系の音楽には必ずと言っていいほど含まれているこの「1/f ゆらぎ」とはどういうものなのでしょうか?
 
簡単には、「1/f ゆらぎ」とは「規則的なゆらぎに、不規則なゆらぎが少し加わったもの」と定義されます。
 
自然界には三つの「ゆらぎ」があるそうです。
 
まずはメトロノームのように、乱れが無く規則正しいゆらぎで、これは「1/f2ゆらぎ」と呼ばれています。
 
もうひとつは全く不規則なゆらぎで、暴風雨での風の音や、ラジオやテレビのノイズ音などがそれにあたります。
 
そして三つ目が規則的なゆらぎに不規則なゆらぎが少し加わった「1/f ゆらぎ」です。波の音、川のせせらぎ、そよ風、クラシック音楽がそれにあたります。
 
ろうそくの炎のゆれ方や蛍の光り方、人の心拍音、血流や脳波も1/f ゆらぎです。
 

 
必ずしも「音」に限定するわけではありません。ちょっと意外なところでは、電車の揺れも1/f ゆらぎです。
 
川のせせらぎやクラシック音楽を聴いていると眠くなる時がありますよね。電車に揺られている時も同じように眠くなるのは、やはり1/f ゆらぎで共通しているからではないでしょうか?
 
また、暖炉や焚き火の炎をじっと眺めていると気持ちが落ち着くのも、同じ理由と考えられます。
 
ちなみに、1/f ゆらぎは人間の声にも出現することがあり、歌手の美空ひばりさん、宇多田ヒカルさん、松任谷由美さん、徳永英明さんといった人たちの声には1/f ゆらぎが発生するそうです。いずれも絶大な支持を集めているシンガーばかりですよね。
 
「1/f ゆらぎは人体にはなんら影響を与えない」という説もあるそうです。しかし上記のような自然現象やクラシック音楽、歌などが人間を癒してくれるのは間違いありません。
 
1/f ゆらぎって、意外と身近にあるような気がしませんか?
 
蛍や海が季節的にちょっと厳しい場合は、室内でアロマキャンドルや音楽を利用して癒されてみてはいかがでしょう。あるいは汽車での長旅とか。
 
何かとストレスの多い社会ですからね・・・。