股関節の軟骨がすり減ると骨同士が直接ぶつかるようになり、激しい痛みが生じます。
 
安静にしていても痛むほどです。
 
日本人の場合、臼蓋(大腿骨の骨頭が入る、骨盤側のくぼみ)の形成不全が多くを占めます。


 
このコンテンツでは股関節の軟骨減少による痛みやそれに対処するMIS手術などについてまとめます。

股関節の軟骨減少による痛み 運動療法や手術で改善

股関節が痛む原因としては関節リュウマチ、大体骨頸部骨折、変形性股関節症などがあります。
 
変形性股関節症の約9割は先天性脱臼か形成不全によるもので、女性に多く見られます。
 

 
痛みを取るためには、運動療法で筋肉をつける、痛み止めの薬を使うなどの方法を試みますが、改善が見られない場合手術をします。
 
人工股関節を使用しない手術では、関節部の形を修正し、体重のかかり方を変えることで痛みを減らします。軽症で、患者が若い場合に適した手術です。

MISの費用や入院日数 利点・問題点 再手術の可能性は?

人工股関節を使用する際は、患者が45歳以上かどうかがひとつの目安になります。2000年ごろからは最小侵襲手術(MIS)という方法が人工股関節を埋め込む際に使われています。
 
従来の手術では術後の傷が20センチほど残っていたのですが、MISでは7センチほどしか残りません。
 
また筋肉へのダメージが非常に少なく、回復も早いため早期の退院・社会復帰が可能になります。
 
MISは難度が高いため、医師の技量が問われる手術ですが、最近はナビゲーションシステムも発達しており、MISをより正確かつ安全に行えるようになりました。
 

 
従来の手術では、脚の筋力が回復するまでに一年ほどかかっていたのですが、MISでは術後の筋力低下がなく、手術翌日から筋肉の強化が可能で、トイレも自力で行えます。
 
さらに入院日数は従来100日程だったのが、MISでは長くても2週間ほどです。外国では日帰りの場合もあるそうです。
 
MISでは保険が適用され、3割負担で約80万円かかります。
 
人工股関節手術全般にいえる問題点として、術後10年以上たつと骨との間にすき間が出来る場合があります。
 
また術後1年以内に再手術が必要になるケースも0.2~2%あり、その際は少し大きめのものを入れ直す手術を行います。