2011年6月6日の九州スポーツ新聞にMDS(骨髄異形成症候群)の記事がありました。
埼玉医科大学総合医療センター血液内科の木崎昌弘教授が、MDSについてわかりやすく解説されています。
その記事を参考に、MDSに関してまとめます。
骨髄異形成症候群(MDS)根治には荒療治が必要
・MDSとは、簡単に言うと血液がきちんと作られなくなる、血液のがんである
・急性骨髄性白血病に進行することもあり、前白血病とも呼ばれる
・近年、高齢者を中心に増加していて、国内患者数は約1万人
・めまいやだるさ、息切れ、貧血や血が止まりにくい、免疫力低下などの症状が出る
・原因はまだ分かっていないが、染色体異常や遺伝子の損傷が関与しているため、放射線被ばくや化学物質への暴露が多い環境にいると発症の可能性が高まる
・長く生きるほど遺伝子の損傷も増えることから、加齢もMDSの原因となる
・完治させる唯一の治療法は、造血幹細胞の移植のみ
・移植には造血幹細胞のドナーが必要で、さらに大量の抗がん剤投与や放射線照射などにより、本来持っていた造血細胞をいったん破壊しつくす荒療治が行われる
・このため、移植手術は高齢者には負担が大きく、適用されていない
・高齢者には、根治ではなく、少量の化学療法や薬物治療による病状のコントロールが施される
・最近はレミナリドミドなどの新薬が開発されていて、高い効果をあげている 病状によっては、根治まで考えられている
現在MDSの発症数は多くはありませんが、高齢化が進む今後は、MDSへの注目度が高まるとも考えられます。