脊髄小脳変性症は、木藤亜也さんの闘病日記「1リットルの涙」で広く知られるようになった難病です。
 
この作品は、脊髄小脳変性症を発症した木藤さんが14歳から21歳までつづった日記を中心に構成されており、160万部のベストセラーとなりました。

後には沢尻エリカさん主演でドラマ化もされています。
 
このコンテンツでは、脊髄小脳変性症についてまとめます。

脊髄小脳変性症 発症率や原因は?

木藤さんは中学3年生のときにこの病気にかかり、手足の自由や言葉を失い、寝たきりになった後、25歳でこの世を去りました。
 

 
脊髄小脳変性症は小脳や脳幹、脊髄の神経細胞が変性し、体が思うように動かせなくなる病気です。
 
マヒとは少し違い、動作の細かい調整ができなくなるもので、原因はよくわかっていません(07年5月現在)。
 
発病率は10万人あたり7~10人とされています。
 
中枢神経(脳から脊髄)までの働きを確認しておきます。

大脳・・・思考、判断、想像、運動などを司る
間脳・・・生命活動、感情など司る
 
小脳・・・運動や動作などを調整し、バランスを保つ
脳幹・・・大脳、間脳、小脳の情報を脊髄に送り、脊髄から入ってきた情報を各脳に伝える

 
脊髄小脳変性症では、小脳~脳幹~脊髄間での障害がゆっくり進行します。なぜこの間の神経細胞だけに障害が起こるかは、わかっていません。

脊髄小脳変性症の症状 治療法は?

主な症状としては、次のようなものがあります。

・歩行が困難になる 体がふらふらするようになる 重心が後ろにかかって転んだりする
 
・食事の際、箸やスプーンがうまく使えなくなる
 
・会話でろれつが回らなくなる 話すのが困難になり、音がつながったりする
・手足が思うように動かない 物を取ろうとして、対象物との距離感が合わなくなる
 
・体を動かすと目も一緒に動くようになり、めまいを感じる 細かいものが見えにくい
・いびきをかいて、睡眠時無呼吸をおこす
 
・その他、立ちくらみ、排尿障害、発熱、インポテンスなど

 
現在のところ病気の進行を止める治療法はありません。しかし症例の中には運動失調の改善が見られた薬剤がいくつかあります。
 
また排尿障害や立ちくらみに有効な薬剤も見つかっており、リハビリを行えば日常生活動作の維持は可能になるケースが増えています。