脳梗塞、脳出血、くも膜下出血をまとめて脳卒中といいます。

このコンテンツでは脳卒中に関する話題をまとめています。

誰かが倒れたら脳卒中の可能性も 対処法は

周囲の誰かが倒れたら、脳卒中の可能性があります。
 
患者の意識、呼吸の有無を確認し、麻痺があるなら麻痺している側の身体を上にして横向きに寝かせましょう。
 
患者の衣服はゆるめます。
 
頭から足までの全身を水平にして(頭を高くしない)、頭はできるだけ動かさないようにします。
 

 
頭を高くしてしまうと首が曲がり、舌が落ち込んで呼吸が妨げられる恐れがあります。
 
吐しゃ物の有無も確認して早急に救急車を呼び、電話口での救急隊員の指示を仰ぎましょう。
 
どれだけ早く病院で処置を受けられるかが生存率や病後の体調に直結します。
 
脳卒中は早朝に多発し、寒い日は特に注意が必要です。枕元に水入りのペットボトルやポットを置いておくと、朝起きてすぐ水分を補給できます。
 
寒くなると摂取する水分量が減りがちです。こまめに水分補給するよう心がけましょう。
 
脳卒中は生活習慣を改善することで予防できます。
 
塩分を控えた和食中心の食事を摂り、適度な運動を習慣にしましょう。タバコはやめ、いくつか趣味を持ち、ストレスがたまったら趣味で解消できれば理想的です。
 
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脳出血とくも膜下出血の違い 永廣信治医師の講演から

少し前に、熊本で開催された「脳の健康フォーラム」に出席しました。
 
フォーラムでは徳島大学脳神経外科の永廣信治医師が講演され、脳の疾患についての解説などがありました。
 

 
脳の血管が破れて出血する症状には脳出血とくも膜下出血があり、この二つには違いがあります。
 
脳出血は脳内部の深いところで出血している状態で、出血した箇所とは反対側の手足のマヒやしびれ、言語障害、意識障害などが起きます。
 
くも膜下出血では脳表面のくも膜直下に出血が広がります。ほとんどは、脳動脈にできたコブ(脳動脈瘤)が破裂することで発症します。突然頭痛が起き、おう吐を伴うのが特徴です。
 
頭の痛みは非常に強い場合と、比較的軽い場合があります。症状がひどいと意識を失うこともあります。
 
出血量が多いと脳圧が上昇して死亡することもあるので一刻も早い処置が必要です。
 
出血した人のおよそ半分が死亡するか、寝たきりや半身まひ、認知障害などの重い後遺症を残します。
 
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日本では年間4~5万人が脳出血やくも膜下出血で死亡しています。
 
脳動脈瘤がどうしてできるのかはまだわかっていません。
 
永廣医師の研究室では、脳動脈瘤が更年期の女性に多いことに着目し、脳動脈瘤動物モデルを開発されています。