シックハウス症候群で注目されたように、私たちの身の回りには化学物質があふれています。

化学物質は私たちの生活を便利にしてくれますが、時には人体に悪い影響を及ぼすこともあります。

シックハウス症候群の原因物質や症状

シックハウス症候群を引き起こす化学物質は、
 
・家屋の建設および家具に使われる接着剤や塗料
・シロアリ予防のための防虫剤
 
などがあります。
 

 
具体的には

トルエン キシレン エチルベンゼン ホルムアルデヒド アセトアルデヒド スチレン パラジクロロベンゼン クロルピリホス テトラデカン

 
といった化学物質です。これらは厚生労働省により濃度指針値が決められています。
 
シックハウス症候群では頭痛・ノドの痛み・めまい・湿疹・倦怠感といった症状が出ます。
 
最近は似た症状として、シックビル症候群(新築のビル内で体調を崩す症状)や、シックカー症候群(新車内で気分が悪くなる症状)なども報告されています。
 
いずれもある程度の気密性がある空間内で発症します。
 

 
現代の家屋は気密性が高いので、接着剤などの化学物質が部屋の中に長く滞留し、住人は化学物質が混じった空気を一日中吸うことになります。
 
最近はこれらの化学物質を規制する法律もあり、シックハウス症候群を起こさない建材・塗料を使う傾向にあります。
 
昔ながらの製法や塗料(うるしなど)を見直す運動も活発になっています。




タバコの煙に含まれる化学物質・有害物質

シックハウス症候群も問題ですが、日常で最も身近にある化学物質といえば、タバコではないでしょうか。
 
喫煙の規制が進んでいるとはいえ、有害な化学物質と接するリスクはタバコが一番高いでしょう。
 

 
タバコの煙には約4千種類の化学物質が含まれており、このうち200種類以上が有害物質とされています。
 
主なものには、ニコチン、一酸化炭素、タールなどに含まれるおよそ40種類の発がん物質、アンモニアやシアン化水素などの刺激性ガスがあります。
 
ニコチンは劇薬に指定されており、殺虫剤や殺鼠剤の原料として使われています。直接摂取した場合、タバコ三本分で致死量に達するのです。
 
一酸化炭素は体内の酸素不足を引き起こし、血管の内部を傷つけます。ニコチンと同様に動脈硬化を促進させる作用も持っています。
 
一酸化炭素のほか、タバコの煙は窒素酸化物、カドミウム化合物、ホルムアルデヒド、ヒ素、ダイオキシンも含んでいて、いずれも公害病、シックハウス症候郡などで知られています。
 

 
「タバコを吸う」行為は、
 
「殺虫剤や殺鼠剤の原料である劇薬のニコチン、猛毒として知られる一酸化炭素、ヒ素、ダイオキシンを吸い込む行為」
 
ということになります。
 
しかもタバコの煙によってこの毒素が周囲に撒き散らされます。喫煙はまさに百害あって一利なしです。