日本で04年一年間にがんで死亡した人の数は全体で30万4千人にのぼります。
これは1960年の3倍の数です。
一見大幅に増えていますが、年齢の影響を調整すると死亡率は減少傾向にあります。
これをさらに減らすポイントになるのが、喫煙をやめることです。
タバコをやめればガンは減らせる
日本でがんにかかる人の数は毎年53万人ほどです。
この中で喫煙習慣のある人が、仮にタバコを吸っていなかった場合、がんにかかる人の数は約10万人減らせるといわれています。
タバコは肺がんだけでなく他の多くのがんのリスクも高めます。がんを発症した男性に喫煙習慣が無ければ三人に一人はがんを防げていたというデータもあります。
私が個人的に持っている印象として、最近はタバコを吸う女性が目立つ気がします。
特に、車を運転中にタバコを吸う女性が多いという印象があります。
喫煙は健康に悪いだけでなく、美容にも大きなマイナス要素です。
タバコを吸うと顔がくすんだ印象になりますし、シワも増えます。歯や歯ぐきも黒くなります。
どう考えても、タバコを吸う理由はありません。
喫煙で上がるがんリスク 喉頭がんが典型的
男性の場合、タバコを吸う人は吸わない人より肺がんに約5倍、喉頭がんに約32倍もなりやすいといわれています。
「一日に吸うタバコの本数に年数をかけて、それが600を超えるとがんになる危険度が高くなる」という数式もあります。
タバコの煙には200種類以上の有害な物質があり、その中には活性酸素そのものの過酸化水素があります。
これら多数の有害物質を白血球が排除しようとするため、大量の活性酸素が発生します。
結果的に、タバコを吸うと肺の中は活性酸素でいっぱいになります。活性酸素によりDNAに障害が起きると肺がんの原因となります。
喉頭がんは日本では年間3千人ほど発症し、患者の95%以上は喫煙者なので、「タバコさえ吸わなければ、まず発症しないガン」とも呼ばれています。
性別では男性の発症率が女性の10倍に上っており、性差が非常に大きいガンです。若い年代には少なく、最も多く発病するのは60歳代です。
若い頃から吸い続けたタバコの悪影響が積み重なり、年齢が進んでから発病すると考えられています。
ノドは人間の急所です。喉頭にガンが発生すると日常生活に絶大な障害となります。
呼吸が困難になり、嚥下障害から食事も思うようにできなくなるのです。呼吸困難から気道を切開すると声も出せなくなります。
「ヘビースモーカーでも、ガンにならない人がいる」といって禁煙を拒否する人がいますが、こと喉頭がんに関しては、これはかなり苦しい言い訳ではないでしょうか。