女性の基礎体温は妊娠や避妊のタイミングを知る目的での測定が多いですが、基礎体温のデータでわかるのはそれだけではありません。
基礎体温の推移が、女性特有の病気の発見につながることもあります。
基礎体温は、およそ36.5度の低体温期と、36.7度程度の高体温期のサイクルを二週間ごとに繰り返すのが標準とされています。
女性の体温は排卵を境に上昇します。排卵が始まると、体温を上げる作用のあるプロゲステロンという女性ホルモンの分泌量が増えるためです。
このことから、
体温が上がらない
↓
体温を上げるプロゲステロンが分泌されていない?
↓
排卵が行われていない?
という推測が成り立ちます。
つまり低体温期が標準より長く続くなら、卵巣機能不全からくる無排卵月経が疑われます。
逆に、体温が高いままの状態が続くなら、甲状腺の病気であるバセドウ病の可能性があります。
バセドウ病では甲状腺ホルモンが多量に分泌され、身体が「常に運動しているような状態」になるため体温が上がるのです。
高体温期が極端に短い、あるいは体温のグラフがM字型になる場合は、黄体機能不全症が考えられます。黄体機能不全症は不妊症の原因にもなります。
基礎体温は毎日、しかも継続して測定する必要がありますが、女性が自分の体調を知るにはとても有益なデータです。
最近はデータ管理が容易な測定器やアプリもあるので、活用してみましょう。