妊娠中の女性が口にするものは、お腹の赤ちゃんにも影響を及ぼします。
 
このコンテンツでは、妊娠中の女性の

・喫煙
・ヨード摂取
 
について紹介します。

妊娠中の喫煙で子供が太りやすく 背が低くなる

妊娠中に喫煙する女性はいないと思いますが、参考として、とある研究結果を紹介します。
 
米国国立環境衛生研究所のチェン博士らによるり大掛かりな疫学調査の結果、妊娠中にタバコを吸っていた母親の子供は太りやすくなることがわかりました。
 
妊娠している母親の喫煙本数が10本増えるごとに、子供が太りやすくなるリスクが17%ずつ上昇したのです。
 
また妊婦の喫煙は同時に子供の身長を低くする要因にもなるとか。
 
 
これと同じような調査が、日本の山梨大学医学部の山県然太朗教授により行われています。
 
山県教授の調査によると、妊娠初期の女性が喫煙者である場合、生まれた子供が10歳までに肥満になる確率は非喫煙者の妊婦の子供よりも約3倍高いそうです。
 
07年の10月に発表されました。
 
 
この調査では、女性約1400人を追跡調査し、10歳の子ども約千人のデータが分析されました。
 
女性が妊娠3カ月の時点で喫煙していると、10歳となった子どもが肥満になる確率は、非喫煙の場合の2・9倍高くなったのです。
 
山県教授はこの原因を
 
「母胎にいるときに喫煙などで栄養が吸収しにくい状態だと、逆に生まれてから栄養を蓄えやすい体質になるのではないか」
 
と推測しています。
 
 
そのほかにも、妊婦が喫煙をすることで起きると考えられている胎児への悪影響には次のようなものがあります。

・早産、流産の可能性増加
一日20本以上喫煙する妊婦は喫煙習慣の無い妊婦と比べて自然流産の可能性が約2倍高くなります。
 
・低体重児が産まれる確率が増加
 
・成長過程での知能発達遅延

 
すで常識ですが、妊娠中の喫煙は絶対NGです。

妊娠中のヨード(ヨウ素)摂取量と新生児の甲状腺障害

コンブなどの海藻類に含まれるヨード(ヨウ素)を妊娠中の女性が摂り過ぎると、体内の子供が甲状腺に障害を受ける可能性があるようです。
 
熊本大学医学部付属病院の西山宗六講師のグループが発表しました。
 
 
新生児が生まれたら、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)発見のために甲状腺刺激ホルモン(TSH)値を測定します。甲状腺に障害があると、TSH値が高くなるのです。
 
西山講師のグループは00年4月~03年3月の新生児検査結果に基づいて、TSH値と母親の妊娠中のヨード摂取量を調査しました。
 
その結果、子供のTSH値が高い(クレチン症ではない状態)場合、母親のヨード摂取量は正常な新生児の母親の6倍(1.81mg)に達していました。
 
 
妊娠している女性は、海藻だけでなくコンブエキスを含む食品(だし類やカップメンなど)も食べ過ぎるのは良くないようです。
 
ヨードは甲状腺ホルモンを合成するのに必要なので、本来人間にとって必須の成分です。
 
海産資源が豊富な日本ではヨードが不足することはほとんどありませんでしたが、大陸中央部では海藻などを摂取する機会が無いのでヨード欠乏症による甲状腺異常が多発しました。
 
モンゴルでは、日本からの援助で国民にヨウ素剤の服用が勧められました。それにより、モンゴルでは甲状腺異常の病気が激減したそうです。
 
体に必要なヨードですが、特に妊婦さんはとりすぎに注意しましょう。