喫煙の害といえば肺がんがよく知られています。(喫煙と肺がんは無関係との主張もありますが)
喫煙による疾患としては、COPD忘れてはいけません。
COPDとはChronic Obstructive Pulmonary Diseaseの略で、日本語では慢性閉塞性肺疾患と呼ばれます。
世界で増えているCOPD ほとんどは喫煙者 非喫煙者の6倍発症
COPDは呼吸機能が低下して息がしにくくなり、セキや痰に悩まされ、最悪の場合は呼吸困難に陥る病気です。
肺気腫と慢性気管支炎と呼ばれていた疾患を合わせてCOPDと呼ぶようになりました。
05年の時点で世界的に患者が急増しており、日本では患者数が500万人を数え、糖尿病の700万人に迫っています。
WHOによると、世界では年間300万人がCOPDにより命を落としており、今後10年間でさらに死亡者が30%増加すると予測されています。
COPD患者の90%は喫煙者であり、喫煙者のCOPD発症率は非喫煙者に比べて6倍に達するといわれています。喫煙者の10~15%がCOPDを発症します。
喫煙以外の原因としては、大気汚染、化学物質の吸入、小児期の肺炎・気管支炎、遺伝といったものがあります。
COPDは症状が進むと治療不可能となってしまいます。
禁煙して症状を進行させない、薬物や酸素療法により症状を緩和するといった対処しかできなくなるのです。
COPDのチェック項目 喫煙習慣があるなら
COPDになると肺の機能が低下し、息を吐きづらくなります。
そのためほんの少しの運動で息切れしたり、セキや痰が頻繁に出るようになります。禁煙しないまま放置すると、息苦しさから生活に支障をきたします。
COPDのチェック項目には次のようなものがあります。
・一日何十本もタバコを吸っている。
・何十年間もタバコを吸っている。
・階段や坂道を登ると息が切れる。
・同年代の人より歩くスピードが遅い。
・息を吐くときに無意識に口をすぼめている。
これらの項目にあてはまる場合、禁煙と同時にすぐ呼吸器科を受診しましょう。
COPDは症状が進むと気道が破壊されてしまうため、治療不可能となってしまいます。
こうなる前に、何はともあれ禁煙することが必要です。