「極端なダイエット」には「極端な偏食」がつきものです。
これは高い確率で体の不調を引き起こし、思いつくだけでも・・・
筋肉減少 貧血 薄毛 味覚障害
といったものがあります。
これら以外にも、無理なダイエットはうつを引き起こす可能性があります。
精神を安定させる、あるいは気分を明るくする作用のあるセロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸からしか作られません。トリプトファンは体内では作られず、食物から摂取しなくてはならないのです。
トリプトファンは牛や豚などの肉類に多く含まれています。
ダイエットを意識すると、肉類は避けられることが多く、結果的にトリプトファン不足になりがちです。
また食物から分解され、血液中に放出されたアミノ酸は脳に入る際にインスリンが必要になります。
インスリンは糖分を摂取した時に分泌されるのはよく知られています。しかし最近は「低炭水化物」でインスリンを出さないダイエット法が定着しています。
つまり・・・
・肉類を避けることで、セロトニンの材料トリプトファンが不足
・炭水化物を避けることでインスリン減少→ ただでさえ少ないトリプトファンが脳に入りにくくなる
・・・と、脳内のセロトニンを不足させる要素が重なるわけです。こうした状態があまりに長く続くと、うつを発症しても不思議ではありません。
ダイエット目的で「肉と炭水化物をあまり食べないようにしている」人は、近頃はあまり珍しくないのではありませんか?
ダイエットためにはある程度の食事制限が必要なのは認めますが、必要な栄養素は摂取すること、可能な限り身体を動かして活動量を増やして、消費カロリー量を上げることも忘れてはいけません。
ちなみに女優の釈由美子さんも、ムリなダイエットの影響から軽度のうつ病になったことがあるそうです。
うつ特有の症状
うつは一見すると単なる「気分の落ち込み」と見分けがつきませんが、うつになった人には独特の現象が表れることがわかっています。
うつには以下のような特徴が見られます。
・憂うつになって気分が沈み、涙が止まらなくなったり、自分に何も取りえがないように感じたりする。その結果、焦りを覚えたり人との接触を避けたりする。
・何もしたくなくなり、職場に行っても仕事ができず、ひどくなると出勤もできなくなり、無断欠勤したりする。進行すると洗顔、着換え歯磨きといった身の回りのこともできなくなる。
・考えがまとまらなくなり、何事も自分を責める方向に考えてしまう。ひどくなると自殺して自分をこの世から消してしまいたくなる。
・肩がこる、背中が痛い、手足の震え、吐き気、頭が重い、頭痛、胸が詰まる、食欲不振、便秘、体重減少など。
こうした症状があって、「うつ病かもしれない」と思っても、目をそむけて内科など受診して気を紛らわす人が少なくありません。早めに専門医を受診しすると改善も早くなります。