秋田県の自殺率は、07年時点で12年連続日本一になっています。
 
10万人あたり42.7人の人が自ら命を絶ってしまっているのです。
 
そこで秋田大学医学部の本橋豊教授は自殺防止のための地域活動を研究しています。

自治体やNPOと協力し、本橋教授は6つの街で自殺防止のモデル活動を行いました。
 
その結果、年間平均28人だった自殺者が15人に減少しています。
 
自殺が減る要因は2つありました。
 
ひとつは、自殺と関りの深い「うつ病」の知識を一般に広め、自殺予防の広報活動を行うこと。
 
二つ目はチラシや宣伝の紙を配るなどして人とのつながりを強化することです。
 
自殺を防ぐには、「個人の問題である」という風潮を変え、悩んでいる人を孤独に追い込まないようにしなければいけません。
 
健康に関する問題を扱っている私としては、自殺問題は非常に大きな関心を持っています。秋田県に限らず、現在の日本では自ら命を絶つ人が多すぎます。
 
毎日毎日100人ほどの人が自殺しているなんて、どう考えても異常ですよ。
 
「自分にも何かできないか」と頻繁に考えるのですが、「社会構造の問題」とか「今の日本の経済システム」なんて途方もないものを改善する必要があると思い至るので、そのたびに自分の無力さを感じてしまいます。
 
自殺者の数は経済状況に大きく左右されるそうです。景気が良いと、自殺する人は少なくなるのです。(下記事もご覧下さい)
 
そう考えると、「日本のために活動する政治家を選挙で選ぶ」のがひいては自殺者を減らすことになるのかもしれません。

日本とその他主要国の自殺率など

WHOがまとめた主要国の自殺率(人口10万人あたりの自殺者数)によると、
 
G8の八カ国で最も自殺率が高いのはロシアの39.4(人)でした。日本は、ロシアに続いて2位の24.1です。これは悲しむべき数字です。
 
フランスは18.4、イギリスやイタリアは7前後なので、日本はイギリスやイタリアの5倍以上の人が自殺していることになります。
 
日本の年間自殺者数は3万人を超えています。
(この記事は2008年に作成しました)
 
日本の自殺者数が急に増えたのは98年からです。自殺者数は前年より35%も増えているのです。この年は企業が大量のリストラを行っており、経済的な理由などで自殺者が増えたと考えられています。
 
中高年男性の自殺者が多いのも日本の特徴で、06年の自殺者の約三分のニが40歳以上の男性でした。
 
日本の高齢化が進むにつれて健康上の理由で自殺する人も増えるという見方もあり、06年の自殺者の半数は健康上の理由からとされています。