2005年9月、中国で過去2年間うつ状態にあるという人約1万5千人を対象に行われたある新聞社の調査では、60%以上を20代と30代で占めました。
この結果を受けロイター通信は、中国社会の急激な変化が競争社会から落ちこぼれる若者を生み出し、若い世代に大きなストレスをもたらしているという専門家のコメントを紹介しています。
中国では若者の自殺者も急増しています。
危機感を持った中国政府は自殺を防ぐための24時間対応の無料電話相談を開設しました。その結果、電話は常時鳴りっぱなしで10回に一度しかつながらない状態だそうです。
08年始めの時点では中国全土でのうつ患者数は2600万人を超えており、うつ病と同時に不眠症、自律神経失調症、強迫症などの精神的疾患も増えています。
以前は人件費の安さから「世界の工場」としてもてはやされていましたが、労働者の権利意識が高まってきてストなども多くなっていると聞きます。
強みだった「安い人件費」という事情にも変化が起きていて、工場建設地を東南アジアの国々にシフトする企業も増えているようです。
同国が発表する統計などを見ると、「景気はそれほど悪くない」イメージを受けますが、いかんせんその数値があまりアテになりません。
実際は失業者が増え、貧富の格差も増大しているとの観測は絶えません。
経済成長があきらかに鈍化すると、うつなどの疾患はさらに増えるのではないでしょうか。
中国のうつ事情 若者に多く発症
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