以前読んだ「トレーニングジャーナル」に、筋肥大に関する記事がありました。
その記事のポイントは、
ビタミンCの過剰摂取は筋肉の肥大を阻害する可能性がある
というものでした。
(このコンテンツは、雑誌「Training Journal」2013年3月号66~68ページを参考にしています。当コンテンツの内容は記事掲載当時のものです)
運動をすると活性酸素種(ROS)という物質が発生します。ROSは体内のたんぱく質や脂質、DNAを酸化させ、様々な疾病のリスクを上げます。
そこで運動後にはビタミンCなどの抗酸化サプリメントを摂取するわけです。
水溶性のビタミンCは過剰摂取しにくいことから、抗酸化物質として広く利用されています。
ところが、ROSは害になるだけでなく、細胞内で運動効果を得る情報伝達物質としての重要な働きがあることが分かってきました。
そのため、トレーニング後に大量の抗酸化物質をとると、本来得られるはずのトレーニング効果が得られなくなるという研究結果も報告されているのです。
その研究例をひとつ。
ビタミンCを一日一回、体重1kgあたり500mgマウスに経口投与する実験が行われました。このマウスは、足底筋が肥大する「代償性肥大モデル」と呼ばれる手術を施されています。
この手術は2週間で筋肉を1.5倍まで肥大させる強烈な作用があります。
実験の結果、ビタミンCの過剰摂取によりマウスの筋肥大は10%抑制されました。
マウスに与えられたビタミンCは、ヒトに換算すると1日5gほどになります。これだけ大量のビタミンCを摂取するケースはまれですが、
「ビタミンCのとりすぎは筋肉の発達を妨げる可能性がある」
とは一応頭に入れておいて下さい。