「速筋」「遅筋」という言葉は、一般にも広く知られるようになりました。
 
速筋は瞬発力に、遅筋は持久力に優れた筋肉です。
 
アスリートであれば、競技の特性によって、どちらの筋肉を重点的に発達させるかを考えてトレーニングを行います。

速筋と遅筋では、鍛え方が違います。
大まかにまとめると、次のようになります。
 
速筋・・・重めの負荷で、少回数・短時間のトレーニング
 
遅筋・・・軽めの負荷で、多回数・長時間のトレーニング

 
速筋のトレーニングでは筋肉が大きく肥大し、遅筋は鍛えても筋肥大は比較的少ないのが特徴です。
 
 
ここで、ふと気付きました。
加圧トレーニング(以下 加圧)で発達するのはどちらの筋肉だろうか?と。
 
加圧は、筋肥大効果が高いことで知られています。しかし実際のトレーニングでは、負荷はごく軽いものか、全く使わないことがほとんどです。
 
つまり、負荷の軽い、遅筋用のトレーニングをしているのに、筋肥大という速筋の効果が得られているのです。
 
加圧で鍛えられるのは速筋か遅筋か?という疑問は結構長いこと解決しなかったのですが、以前スポーツ用品店でもらってきた資料にそのものズバリの回答がありました!
 
その答えとは・・・
 
速筋と遅筋の両方を鍛える
 
です。
資料によると、

・加圧で軽い負荷のトレーニングを長時間(10分ほど)行う

・遅筋が発達する

・加圧ベルトによる血流の制限などから、脳が重い負荷だと錯覚し、速筋も発達させるよう指令を出す

・速筋も発達する

 
という原理なのだそうです。
 
うーむ、「一粒で二度美味しい(死語)」とは、加圧は何ともスゴいトレーニングですね。
 
ただし、くどいようですが、自己流でやるのはダメです!次の記事で紹介するように傷害が起きかねません。

加圧トレーニングで起きうる傷害の例

短時間で高い効果が期待できる加圧トレですが、間違ったやり方では傷害を引き起こす可能性があります。
 
2010年10月2日の日経プラスワンで、平石貴久医師が不適切な加圧トレによる傷害の例を紹介されていました。
 
とある20代後半の女性が、トレーニング後に右ひじが曲がらなくなったのです。上腕二頭筋と上腕三頭筋が破壊されて出血しており、ひじの周囲が腫れていました。
 
ベルトの締め付けが強すぎたか、加圧時間が長すぎたと考えられます。女性は1ヵ月間筋トレ禁止になり、消炎鎮痛剤の内服・外用、マッサージなどの治療を受けました。
 
平石医師によると、このケースはもっと重篤な症状になる一歩手前でした。もしも女性が不適切なトレーニングを続けていたら、筋肉の出血から血栓が発生し、肺梗塞や脳梗塞の可能性もあったのです。
 
「加圧する」=「血流を制限する」のは、加圧トレの根幹となるポイントですが、一歩間違うと危険な行為とも言えます。
 
専門トレーナーの指導を必ず受け、正しいやり方を守りましょう。

加圧トレ インストラクター資格 費用や講習

「加圧トレーニングジャーナル」Vol.1の18~19ページを参考に、資格取得要件のポイントを抜粋して紹介します。
 
加圧トレーニングインストラクター資格認定講習について
・受講対象者 
以下の二つの条件を両方満たす必要があります。
 
1 医師、理学療法士、柔道整体師、鍼灸師、あんま・マッサージ師、看護師、整体師、スポーツインストラクターなど、人に対する施術やトレーニング指導を行う資格を有する者、または上記資格と同等の能力を有すると認められるもの
 
2 3ヵ月間以上かつ24回以上の加圧トレーニング歴を有する者
 
 
・講習日程
1次講習
基礎理論講習3日間 修了試験1日間の計4日間
 
2次講習(1次講習修了試験合格者が対象)
実技講習と事業講習が計2日間
(支部講習の場合、実技講習、基礎理論講習、認定試験・事業講習の計6日間)
 
 
・契約には個人契約と法人契約があります
 
・受講料
1次講習料は42万円ですが、取得する資格と器具の組み合わせや契約形態(個人・法人)で受講料は変わってきます。
 
・資格の更新
加圧トレーニングの資格は、1年ごとに更新する制度になっています。更新の際には資格更新料が必要になります。