足指の爪の両端が肉に食い込んで痛む巻き爪は、日本人の1割に見られます。
 
そのうちの8割は女性で、年齢層であまり偏りはありません。子供からお年寄りまで幅広く発症しています。


 
このコンテンツでは巻爪の原因や対策、治療法をまとめています。

巻き爪の原因 爪の切り方・靴

巻き爪の原因のひとつに深爪があります。
 
爪の角の部分を切り落としておくと一見巻き爪が防げるように思えますが、実はこれが巻き爪を引き起こす原因になりえるのです。
 
爪の角を切ると「押さえ」が無くなり、指の肉が盛り上がりやすくなって爪がさらに食い込んでしまうのです。
 
これは巻き爪にすでにかかっている場合も同様で、爪をある程度伸ばして角は切らずに形を四角くする「スクエアカット」にしなくてはいけません。
 

 
先が細くとがっている靴も巻き爪を起こしやすくなります。
 
仕事やオシャレでハイヒールなどの靴は必須かもしれませんが、可能な限り(車での通勤中など)スニーカーといった歩きやすい靴を履きましょう。

巻き爪を予防するには

歩く機会が少ないと巻き爪を起こしやすいと言われています。長期間寝たきりの人の足は高確率で巻き爪を起こすのです。
 
足の指で地面をつかむような動作が巻き爪の予防になります。
 
足の指を何かにぶつけたのがきっかけで発症することもあり、体質的に巻き爪になりやすい人もいるようです。

巻き爪の治療法 ワイヤー法・VHO法 費用や日数

巻き爪には治療法がいくつかあります。
 
巻き爪の治療には、自宅でもできる手軽な方法もあります。
 
爪の角が指の肉に当たっている箇所に、小さく丸めた脱脂綿を詰めるのです。爪が食い込むのを防ぐ効果があり、痛みも小さくなります。風呂上りに行うのがおすすめです。
 
これを行うには爪がある程度伸びていなくてはいけません。また、脱脂綿を多く詰めすぎると爪が割れてしまうことがあります。
 
脱脂綿は毎日取り換え、爪の先が皮膚よりも長くなるまで続けます。
 
ただしこれは初期症状の場合のみで、巻き方が強かったり、痛みが激しい場合は別の矯正法が必要になります。
 

 
ひとつは超弾性ワイヤーを使う方法で、町田英一医師により考案されました。爪の先に小さな穴を二つ開け、爪を広げるようにワイヤーを装着する方法です。
 
ワイヤーは形状記憶合金製で、常に外側に広がろうとする力を爪に与えます。これにより爪の「巻き」を矯正するわけです。
 
この治療では1~2ヶ月に一回のペースで通院するのが一般的です。
 
治療費用の目安は初回に13000円、2回目以降4000円、三回に一回はワイヤ代が4000円必要です。
 
爪がある程度伸びている必要があり、爪が割れることもありますが、装着時の痛みなどはありません。
 
もうひとつの治療法はVHO法と呼ばれるもので、ドイツで開発されました。フックを爪の両側に引っ掛けて爪中央部分で引っぱり、爪の巻きを矯正するものです。
 
深爪状態でもOKで、通院頻度も3~5ヶ月に一回で済みます。ただし装着時に痛みを感じることがあるようです。
 
費用は初回15000円、二回目以降は10000円ほどが目安になります。
 
いずれの治療でも完治までには数ヶ月から1年以上かかることがあります。保健は適用されず、自費診療になります。
 
巻き爪は再発することも多いので、日頃からの予防が大切です。

足外来は足全般の不調を診察

あまり取り沙汰されない印象がありますが、医療機関によっては「足外来」が設けられています。
 
巻き爪や陥入爪、外反母趾、内反小趾といった足の不調全般の治療を目的とし、整形外科医の中でも足の治療を専門とする医師が従事しています。(ちなみに足には100種類以上の疾患があるそうです)
 
足外来は80年代終わりごろから徐々に増えています。
 
上で挙げた症状だけでなく、足外来で対応する疾患は多岐にわたります。
 
医師たち
 
例えば糖尿病にかかると神経障害や血行不良で足が壊疽することがあります。
 
これは足のケガからの感染がきっかけになって起きることが多いため、足外来ではこうした壊疽防止のためのケアも行います。
 
さらに足外来では、患者にジャストフィットする靴のインソール(中敷き)を作って、疾患の改善を助けることもあります。
 
足の形が変形していたり、脚の長さが生まれつき左右で違う、あるいは外反母趾といった不調をインソールによって改善するわけです。
 
また外回りの営業などで長距離を歩く人がピッタリのインソールを使うと、歩行から来る疲労が大幅に軽減されることもあるそうです。
 
ちなみに、こうした医療機関で作成するインソールは、医師に必要と診断された場合は保険が適用されます。