現在日本には3千万人から4千万人のアレルギー患者がいるそうです。
(このコンテンツは2009年3月に作成しています)
 
日本アレルギー学会の名誉会員でアレルギー疾患に詳しい鳥居新平医学博士によると、日常生活では次のようなアレルギー誘発要因があります。
 
まず、食事に関しては

・脂肪分の多い食事
・アルファリノレン酸やEPAなど魚油成分の不足
・食物繊維やオリゴ糖不足

 
といったものがあり、これらは腸内環境を悪化させ、免疫反応や炎症反応を暴走させてしまいます。
 
鳥居博士によると運動不足もアレルギー誘発の要因になります。
 
基礎体力が低下すると「運動ぜんそく発作」や「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」を起こしやすくなるのです。
 
家族に喫煙者がいると、タバコを吸わない人でも受動喫煙によりぜんそくの発作が出やすくなります。
 
また、ファンヒーターを使うと二酸化窒素が発生することがわかっています。
 
二酸化窒素はアレルギー症状の原因になり、冬に石油ストーブを使わないようにしたらぜんそくが治ったという例もあります。
 
防虫剤や芳香剤の化学物質もアレルギー症状の発病および悪化に関っていると考えられています。気密度の高くなった現代の住まいではその危険性がさらに高くなります。
 
こうした要因から、鳥居博士はアレルギーを「環境・生活習慣病」と考えています。(次の記事では、携帯電話を使うことによる金属アレルギーを紹介しています)

ニッケルによる携帯電話皮膚炎(金属アレルギー)

携帯電話を長時間使う習慣がある人は、耳や頬にアレルギー性の発疹が出ることがあるとイギリスの皮膚科団体が報告しています。
 
携帯電話の部品として使われているニッケル合金に皮膚が触れることで、金属アレルギーの湿疹ができるのです。
 
ニッケルは加工がしやすく、かつ値段も安いため工業製品だけでなくアクセサリー類にも多く使われています。
 
しかしニッケルは溶けやすい性質も持っています。
 
ニッケル製品が汗と接触するとニッケルが溶け、金属イオンが皮膚から吸収されて金属アレルギーを発症してしまうことがあるのです。
 
ニッケル製のピアス、ネックレスなどでかぶれる例が多いようです。
 
携帯電話の機種によってはスピーカー部分、ブランドのロゴ、メニューボタンなどにニッケル合金が含まれています。
 
携帯電話はピアスなどと違って皮膚に常に密着させているものではないので症例も少なく、日本ではあまり知られていないようです。
 
しかし皮膚の強さやアレルギーの出やすさなどには個人差があるので、携帯電話の部品にはニッケルが使われていてアレルギーを起こす可能性があることは頭に入れておいて下さい。。