昭和49年フィリピンのルバング島から帰国した元陸軍少尉、小野田寛郎さんは今年90歳になりました。
現在はブラジルで牧場経営をしており、日本では小野田自然塾というキャンプ教室を主宰しています。
1年のうち3ヶ月はブラジルで牧場経営、残りの9ヶ月は日本で過ごしています。
(このコンテンツは週刊文春2012年8月9日号144~148ページを参考にしています。当コンテンツの内容は記事掲載当時のものです)
90歳になったいまでも背筋はピンと伸び、凛々しい印象の小野田さんは「食べものは、その人の身にあったものを食べるのが一番」という考えです。
「食べてみて、お腹の調子が正常で、翌日元気が良かったら、それを食べるのがいい」
小野田さんは肉が好きで、奥さんからは野菜も食べるよう言われますが、「嫌いなものはできるだけ食べない」という考えなので、野菜はあまり食べません。
戦争から帰ってきてアユを食べたら、アユがイワシのように脂臭かったそうです。鶏の唐揚げを食べたら、それもぬか臭いと感じました。
「昔はああだったはず、こうだったはず」という食べものばかりで、いわゆる本当の味がないから、魅力が無い、と感じています。
運動もやりたいときにやる、という主義で、それが自分の身に合っているのだそうです。
食べものでも何でも、自分を良く知って、それに合うようにと自分を工夫していけばいい。
でも、そういうことも教えてもらわなきゃこまるという、自分で考えられない人がいるんですね。
健康に無頓着なように思えますが、決してそうではなく、
自分以外に誰も気をつけてくれないんだから、自分の健康、体調のチェックは毎朝欠かしません。
痛いところや身体が疲れているところなんかは、朝起きたときが一番わかると思う。
活動し出したらわかんなくなっちゃう。
戦争中の強烈な体験から、「死に関して不感症になったので、死ぬのは怖くなくなった」そうです。