カルシウムは日本人に不足している栄養素としてよく知られています。
 
メディアでも「足りません」とたびたび言ってますが、摂取量はなかなか増えないようです。

その理由として、まず摂取量そのものが減る傾向にあります。魚を食べなくなってますし、牛乳を敬遠する向きもあるようです。
 
(ネット上などでは牛乳を飲むと骨が弱る、という主張もありますが、私個人的には別に飲んでもいいんじゃないかと考えています)
 

 
加えてカルシウムは、意外と吸収を阻害されやすい栄養素です。このコンテンツではこの件についてまとめます。

カルシウム吸収を阻害する食品・栄養素

カルシウムは食べ合わせによっては吸収を阻害されることがあります。
 
リン、食物繊維、フィチン酸はカルシウムの吸収を阻害するのです。
 
リンは、加工食品に添加されるリン酸塩に含まれており、粘着性や発色効果を高めるために使われます。カップめんやハム、清涼飲料水といった食品で使用されています。
 
リンは小腸内でカルシウムと結びついてカルシウムの腸内での吸収を妨げます。リン酸塩の摂取量がカルシウム摂取量の2倍を超えると骨形成に使われるカルシウムは無くなってしまうそうです。
 
ちなみに日本食品標準成分表によると、リン酸塩はカップめん100g中に120~230mg 含まれています。
 
食物繊維・フィチン酸もカルシウムと結びつく作用があり、そのまま一緒に体外に排出されてしまいます。
 
フィチン酸は玄米などの穀類、豆類に多く含まれています。
 

 
カルシウムの吸収や骨の形成を間接的に妨げるものとして、キトサンが挙げられます。
 
キトサンはビタミンD(カルシウムの吸収を促進する)ビタミンK(骨のもとになるタンパク質を活性化する)といったビタミンの吸収を妨げるのです。
 
ほうれん草に多く含まれているシュウ酸もカルシウムと結合してしまいます。シュウ酸はほうれん草のエグ味成分です。
 
ただし、シュウ酸は結石の原因となるので「カルシウムと結合させて体外に排出できれば尿路結石や腎臓結石を防げる」という考え方もできます。
 
当然、カルシウムの摂取量は減ってしまうのですが・・・。
 
ほうれん草のおひたしにカツオ節をよくかけます。
 
これはカツオ節のカルシウム分が、おひたしに残ったシュウ酸のエグ味を取ると同時に結石を防ぐという意味があるので非常に理にかなっているのです。(昔の人は偉いなぁ)
 

 
実際に食事をする際は「カルシウムが阻害される!」なんてことはあまり意識しませんが、阻害される食べ合わせが習慣になっていないかは一度チェックしてみてはいかがでしょうか。