ちょっと気になる記事がありました。
女性に急増 心と体を蝕むアルコール依存症の恐怖
http://www.zaikei.co.jp/article/20140706/202823.html
何でも、アルコール依存症の患者数はここ10年で1.5倍になり、約109万人に達しているのです。(内訳は男性95万人、女性14万人)
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人生が一度めちゃめちゃになったアルコール依存症OLの話
女性のアルコール依存増加中 女性は男性より依存が速い&重症化
社会進出する女性が増加するのに比例して、依存症になる女性も増えています。
しかも、若い人はどうやら女性のほうがお酒好きのようなのです。
厚生労働省の発表によると、一年間のうちお酒を一度以上飲む機会があると答えた20代前半の人の割合は男性で83.5%なのに対し、女性は90.4%でした。
昔「アル中(アルコール中毒)」と呼ばれたアルコール依存症は、大量の飲酒をくり返した結果、飲酒欲望が強くなりすぎてコントロールできない状態です。
症状の初期段階では、冷蔵庫にお酒が常に入っていないとイライラしたり、真夜中でもコンビニへお酒を買いに行く、といった行動が見られるようになります。
アルコール依存症の予備軍とされる多量飲酒者は979万人いるとされており、患者の109万人を加えると1000万人以上が飲酒トラブルを抱えていることになります。
女性は男性よりも臓器が小さく、ホルモンの影響もあって男性よりも2倍の速度でアルコール依存症になってしまいます。
肝硬変などの肝障害も女性のほうが重症化しやすく、不妊症リスクも高まります。
「多量飲酒者」とは、一日60g以上のアルコールを摂取する人のことです。
これをお酒に換算すると・・・
ビールなら中瓶3本
日本酒なら3合弱
焼酎なら300ml
にあたります。
「節度ある飲酒」は一日20gなので、上の酒量の三分の一が目安になります。
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アルコール依存症治療革命
アルコール依存症 チェック項目
アルコール依存症かどうかをチェックする、以下のような質問があります。
・自分の意思にかかわらずお酒を飲み始め、予定より長時間、または大量に飲み続けることがある
・お酒を飲む量を減らしたり、やめたときに手のふるえ、発汗、不眠などの症状が出る
・飲酒を続けることで、以前よりお酒に強くなった
・飲酒のために、仕事や人間関係などに支障をきたしたことがある。または行動を諦めたことがある
・飲み過ぎによる体や心の病気を持っていながら、お酒をやめることができない
三つ以上の項目に当てはまったら、アルコール依存症の可能性があります。
依存症治療を受ける人は少ない
「依存かも・・・」と思ったら、精神科での治療が必要ですが、アルコール依存症で治療を実際に受けるのは4万人ほどといわれています。
100万人を超える患者数を考えると、少ないと言わざるをえません。
依存症は「否認の病」なので、自分が依存症だということを患者本人は認めたがらないのです。
それゆえ治療は進まず、どうにもならずに周囲の人間に連れられて診察を受けた時にはすでに手遅れ、ということが多いのです。
アルコール依存症は完治が難しく、長期間にわたって酒を口にしない強い意志が必要です。少しでも飲んでしまえば再発するので、周囲の協力も欠かせません。
現在は、アルコール依存を治療する薬「レグテクト」も開発されています。
これは脳の神経に働きかけて、興奮を促す神経伝達物質の働きを抑制し、飲酒の欲求そのものを起こらなくする薬です。
抗酒薬と比べて副作用が少なく、幅広い患者を対象に処方が可能です。
治療法が進化しているとはいえ、依存症にならないのが何より大事なのは言うまでもありません。
(この記事は冒頭で紹介したリンクと、雑誌「Tarzan」No.651 2014年6月26日号(Amazon・PR)48~50ページを参考にしました)
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クリニックで診るアルコール依存症 減酒外来・断酒外来