ランニングペースによる脳活性効果の違い 征矢英昭教授

ここ数年市民マラソンが大盛況で、朝や夕方にランニングを習慣としている人も増えました。
 
ランナーであれば、記録向上が目的のトレーニングとしてのランニングが多いですが、体力作りやダイエット目的で走る人も多いはず。
 
あまり語られていませんが、ランニングは脳にも良い影響を与えるそうです。
 
脳活性化を目的として走る、というのもアリなのです。
 

中長距離ランナーの科学的トレーニング(レビューあり)
中長距離ランナーの科学的トレーニング
 
しかも筑波大学大学院人間総合科学研究科の征矢(そや)英昭教授によると、走るペース(強度)によって、活性化する脳の分野を変えられるそうです。
(このコンテンツは雑誌「ランナーズ」2011年11月号14ページを参考にしています)
 
◆低強度(スロージョグなど)
・海馬を刺激し、食欲や性欲などの本能的な欲求を穏やかにする
・空間認知機能を高める可能性あり
・うつ病などストレスで委縮した脳を回復させる
 
◆中強度(レースペース前後)
・10分間続けると、前頭前野外側部が刺激される
・判断力、集中力、行動力を高める可能性あり
 
◆中~高強度
・視床下部が刺激され、ノルアドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質が分泌される
・高揚感・覚醒感を感じる
・視床下部は生殖や代謝を司っており、強くたくましく生きる力を高める可能性あり
 
 
こうした効果から、征矢教授はビジネスマン向けに目的別のランニングを提案をしています。
 

 
◆企画書を作成するなら、スロージョグで海馬を刺激する
・スロージョグでは本能的欲求が抑えられるため、アイデアが浮かび安くなる
・歩きながら思索を重ねたギリシャの逍遥学派にも通じるかも?
 
◆プレゼンの前にはレースペース(中強度)で走って前頭前野を刺激する
・判断力や集中力を高める
・眠くなる時間帯の前に走るのもおすすめ
 
◆会議の前は中強度以上で走って視床下部を刺激する
・気分が高揚するため、会議の前にテンションを上げたい時におすすめ
・「火事場の馬鹿力」を生み出すのもこの分野
 
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ひとつ注意を。
 
マラソンのような高強度で長時間のランニングでは、副腎からコルチゾールが分泌され、脳や免疫機能が低下する可能性があります。
 
どのペースで走るにしても、大事なのは「気持ちよさ」を感じることです。
 
気持ちよさを感じると認知行動の速さもアップし、身体にプラスの作用をもたらすのです。
 
 
屋外で身体を動かすのに心地よい季節になりました。走る際は脳への効果も意識してみて下さい。
 

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