少し前までは関節リウマチには効果的な治療法が無く、ステロイドや痛み止めで痛みを軽減する程度の対処法しかありませんでした。
 
しかし近年リウマチ治療薬は飛躍的に進歩し、症状の進行を止める抗リウマチ薬や、生物学的製剤が開発されています。
 
これらの薬を使った治療を早期に始めれば、日常生活に支障が出るほど重篤化するリスクは少なくなったのです。

これらの治療効果を高めるには、症状の早期発見が何より大事です。関節リウマチによる骨の破壊は、最初の1年間で急速に進むからです。
 
それでは、関節リウマチの兆候および初期症状にはどのようなものがあるのでしょうか?
 
最も多いのは手のこわばりが挙げられます。特に朝に症状が強く表れます。朝起きて、手のこわばりがしばらく続くようならば注意が必要です。
 
関節リウマチでは、痛みだけでなく腫れるのも特徴です。しかも手や足の片方だけでなく両方、左右対称に出ることがほとんどです。
 
両手あるいは両足の同じ場所に痛みや腫れが出る場合は関節リウマチが強く疑われます。
 
関節リウマチは治療薬だけでなく、検査法も進歩しているそうです。血液中の抗体を検査することにより、早期発見が容易になったのです。
 
「リウマチ」というとお年寄りの病気、というイメージがありますが、20代で発症する人もいます。
 
「もしかしたら?」と感じたら、早目に診断を受けておきましょう。

関節リウマチの特効薬 生物製剤 効果や副作用 費用

関節リウマチ最近まで「不治の病」とされてきました。
 
全身の関節が腫れて痛み、症状が進むと関節が破壊されて動作しなくなってしまいます。
 
腕や手、指の関節が動かなくなると歩行や食事も困難になり、患者の生活の質が著しく落ちてしまうのです。
 
従来の関節リウマチの薬では、炎症を抑えることはできても、関節の破壊を止めることはできませんでした。「リウマチを治癒させる」という理想からは遠かったのです。
 
しかし2003年から「生物製剤」と呼ばれる新しい薬が製品化されました。
 
生物製剤は遺伝子組み換えにより作られ、関節破壊の原因となる物質「サイトカイン」を抑える作用を持っています。そのため、関節破壊の進行抑制に目覚ましい効果があります。
 
患者の痛みも大きく軽減され、生活の質も改善し、2年ほど投与を続けることでほぼ回復した例もあります。
 
生物製剤についてまとめます。

・点滴および皮下注射により投与する
・一定間隔で継続して投与が必要
・改善効果が出るのは比較的早い
 
非常に高い効果が期待できる生物製剤ですが、次のような欠点もあります。
 
・免疫力が低下し、肺炎や結核にかかりやすくなる
・費用が高額 3割負担で年間40~60万円ほど必要

 
副作用などのマイナス面があるものの、生物製剤が関節リウマチに大変効果的であることを考えれば、治療の選択肢としては外せないと言えるのではないでしょうか。