ナンバの動きの特徴に「右手と右足、左手と左足を同時に出す」があるのはよく知られています。
 
ナンバでは「ねじらない、踏ん張らない、うねらない」ことが大原則であり、上の動きは原則にのっとったものです。
 
日本人は古来この動きを自然に行っていました。

このコンテンツではナンバについてまとめています。

ナンバ式動き 衰退とアスリートによる再注目

ナンバの動きは消費エネルギーが少なく、身体への負担もかかりにくい利点があります。忍者や飛脚が長距離を走ることができたのも、ナンバ走りを実践していたからといわれています。
 
しかし明治維新後に西洋の歩行法が紹介されてからは、ナンバの動きが自然と廃れていきました。
 
ただし完全に絶滅してまったわけではなく、日本の伝統文化である相撲や武道、歌舞伎・能などの中にはナンバの動きが受け継がれています。
 
また、陸上の末續慎吾選手や現役時代の桑田真澄投手はナンバの動きを参考にしています。(下の記事では卓球の平野早矢香選手について紹介しています)
 
イチロー選手やバスケットのマイケル・ジョーダン選手といった、選手生命が長く、かつ高い競技能力をキープしているアスリートにはナンバの動きが随所に見られるそうです。
 
ナンバを応用した体操などは講座も開かれているため、アスリートに限らず一般の人も学ぶことができます。
 
ナンバ式体操のポイントは、頭蓋骨、胸郭、骨盤といった身体のパーツを箱に見立てて、平行四辺形をスライドさせてつぶすような動きをすることです。この動きだと筋肉や関節に負担がかかりにくくなります。

平野早矢香選手のベタ足 甲野善紀さん直伝

「ナンバ」の動きは、卓球の平野早矢香選手も採用しています。
 
平野選手はミキハウスに2003年に入社した直後から古武術家の甲野善紀さんに会い「捻らない、蹴らない」などの指導を受けています。
 
力まない自然な動きを心がけた結果、平野選手は競技中に「ベタ足」で構えるようになりました。
 
 
卓球では、ボールにすばやく反応できるよう、つま先立ちで構えることがほとんどです。
 
ベタ足では足で床を蹴ることがありません。
 
しかし身体の中心を軸にして左右に平行に移動するため、身体が上下動せず視線がぶれなくなったそうです。また力まなくても強いボールを打ち返せるようになりました。
 
 
平野選手は全日本卓球選手権大会の女子シングルスで、07年から09年まで三年連続で優勝しています。
 
その他の有名人として、佐野史郎さん、武田鉄矢さん、また宇宙飛行士の野口聡一さんも身体の使い方で甲野さんから指導を受けているそうです。
 
甲野さんの指導は、平野選手に良い効果をもたらしたと言えそうです。
 
私も甲野さんに関する本は読んだことがあり、とても面白かったという印象があります。
 
武術や運動には特に興味はないけどな・・・というあなたも、甲野さんの著書などをご覧になってはいかがでしょうか。新しい発見があるかもしれません。