09年の4月、人気お笑いコンビ、ハリセンボンの箕輪はるかさんが肺結核で入院しました。
 
当時のCMでも言われていたように、結核は「過去の病気」ではありません。
 
特に日本は先進国では「結核が多い国」であり、WHOは日本を「結核の中蔓延国」と分類しています。厚生労働省は1999年に「結核非常事態宣言」を出しています。

大阪や名古屋、東京といった大都市で特に多く発生しています。
 
結核は多くの場合結核菌が肺から侵入し、肺に病巣を作ります。その後血液やリンパ液に乗って全身を循環し、各所に病巣を作るのです。
 
結核菌が肺に侵入しても約90%の人は免疫力などで結核菌を除去するため発病しません。しかし約10%の人は結核菌が肺の中に残ります。そして免疫機能が低下したときに結核菌が増殖し発病します。
 
感染から発病までの期間は1年から、長い場合は20年以上になることもあります。戦時中結核にかかった人が高齢になって免疫力が低下し、発症するという例もあるのです。
 
ちなみに管理人の親戚の男性はまさにこのケースで、この記事を書いてる時点で80歳を過ぎており、「潜伏した結核」が発症させています。
 
その方は戦時中に結核に感染しその後回復したのですが、高齢になってからは免疫力が弱ったのか潜伏していた結核がまた暴れ始めたようです。
 
結核は感染については過度に心配する必要はありません。
 
仮に、箕輪さんが出場していたお笑いをライブ会場で観たとしても感染の可能性は非常に低いのです。
 
注意すべきなのは感染者と頻繁に接触する(特に密室内で)ことですが、箕輪さんの相方の近藤春菜さんに4月10日時点で陽性反応は出ていません。(ただし反応として出るのが遅れる場合もあるので再検査をする必要はあります)
 
発症しても薬を飲むなどの治療が可能ですが、最近は薬に耐性を持つ結核菌も現れています。
 
乳幼児が結核にかかると髄膜炎などの重篤な症状を引き起こすことがあります。大阪では、結核による乳幼児の髄膜炎が毎年発生しています。
 
子供の結核を防ぐにはBCGの接種が有効です。
 
成人が肺結核にかかると
 
・セキが続く
・微熱が続く
・食欲不振
・身体のだるさ

 
といった症状が出ます。
 
風邪の症状が無いのにセキ・痰が長引くようなら肺結核を疑ってみましょう。風邪だと思って放置していると肺の病巣が広がってしまう恐れもあります。
 
結核はある程度高齢の患者が多いですが、栄養状態が悪く、身体の抵抗力が弱っていると箕輪さんのように若くして発症することもあります。
 
箕輪さんは一日でパンひとつしか食べないこともある、という報道を目にしました。
 
さすがにこれは極端だとしても、いまどきの若い女性はこれに近い食生活をしているケースが意外と多くないでしょうか?
 
成人が結核を防ぐ最も有効な方法は「身体の抵抗力をつける」ことです。まずはバランスの良い食事をとることが基本です。
 
セキや熱が続き、かつ体が疲れている、ストレスを感じている、偏食気味だ、という心あたりがあるなら「ただのカゼだろ」で済ませず、医師の診察を一度受けておくと安心です。