うつ状態で表れる症状を分野別に分けると、

・「能力・機能低下」(バイオ)Biological
・「社会への不適応」(ソーシャル)Social
・「抑打つ気分や自信喪失などの心理状態」(サイコ)Psychological
 
の三つになります。


これらはそれぞれが独立したものではなく、互いが影響を与えあっています。
 
そのためどれか一分野が改善しても、その他の分野に引きずられて、せっかく治りかけたものが悪化してしまいます。
 
可能であればこの三分野で同時に治療を試み、一気に全体の改善を図るのが理想的です。
 

 
バイオ面においてはまず医師の診断を受け、治療方針の確立や薬の処方といった対処をします。
 
サイコ面では臨床心理士やカウンセラーに相談し、原因の確認と問題の整理、解決への工程を探ります。
 
ソーシャル面では医療ソーシャルワーカー、作業療法士に加え、家族の協力も得ながら人間関係および社会環境面でのサポート・アドバイスにより改善を図ります。
 
「三分野」といっても、「三人」の医師や専門家のお世話になる、という意味では必ずしもありません。(お世話になっても何の問題もありませんが)
 
症状の三分野が影響し合っているように、専門家のアドバイスや対処法も三分野に関連するケースが少なくありません。
 
ポイントになるのは、「どれか一分野だけを治す」のではなく、三分野全体で改善を目指す意識です。
 
うつ治療の際には、「この三分野に対処できているか?」を時々チェックしてみて下さい。