元気や食欲が出ない、冷房で冷えて脚がむくむ、といったい夏バテの症状は、相当数の人が一度は経験しているのではないでしょうか。
しかし、夏バテは「病気」とは定義されておらず、病気の前段階である「未病」とされています。
そのため、夏バテになっても検査で異常値が出ることはほとんどありません。
未病への対応は苦手な西洋医学 そこで東洋医学を
こうした「未病」の症状は、西洋医学が苦手とする分野です。
西洋医学では、病名が具体的に決まらないと治療方針が立てられず、対応が困難なのです。
そこで東洋医学の登場です。
東洋医学では、夏バテを・・・
・気(生命エネルギー)の消耗
・陰と陽の体内バランスの乱れ
といったとらえ方をします。
そしてこの症状に対応した生薬を処方するのです。
具体的には・・・
眠れない、イライラする、喉が渇くといった「陰虚」の症状には清暑益気湯や白虎加入参湯など
手足がむくむ、冷える、下痢をするといった「陽虚」の症状には五積散や当帰芍薬散など
が処方されます。
夏バテ対策は食事や睡眠をしっかりとる、水分を十分補給する、炎天下で活動しない、身体や内臓を冷やさないなど生活面での改善が何よりも大事です。
とはいえ近年の暑さは強烈ですし、職場環境などによっては思うように対応できないことも考えられます。
「未病」状態が長く続くなら、漢方薬を処方してもらうのも手段のひとつではないでしょうか。