世の中は「やせているほど良い」とでもいえそうな「やせ信仰」が蔓延しています。
しかし健康面からは「とにかく痩せればよい」という考えはもちろんNGです。
痩せすぎても病気に 重さそのものより体重の質に注目を
やせすぎると肺炎やがんにかかるリスクが上がることがわかっています。
中年男性の場合、BMI指数(体重kg÷身長mの2乗)で21から27の範囲が理想的とされています。
個人的にはBMI指数はあくまで目安だと思っています。
さらに言うなら体重だけをとりあげて「太った・痩せた」と論じるのはナンセンスだとさえ考えています。
なぜなら、体重の「質」に注目していないからです。
体重が増えても、筋肉が付いて体が重くなったのであればむしろ理想的ですし、逆に体重が減っても、筋肉が落ちたのであれば好ましくありません。
女性がキツめのダイエットをして体重を落とすことがありますが、あれは往々にして筋肉を落としているのではないでしょうか。
そのようなダイエットは健康的ではありませんし、高確率でリバウンドを招いてしまいます。
食事のバランスは保ちつつ、運動などの活動量を増やして脂肪を減らすのが正しいダイエットです。
BMI指数が高くなっても、筋肉が増えたのであれば気にする必要はありません。
食事制限も運動もしていないのに指数が下がったらそれは良くない兆候の可能性もあります。
マドリード市「やせ過ぎモデルはダメ」BMI指数は?
06年の9月、スペインのマドリード市は「やせ過ぎのモデルはファッションショーへの参加を禁止する」という発表しました。
同市では、ショーに出場できる条件を
「BMI指数が18以上のモデルに限る」
としています。
つまり、身長が170cmのモデルさんなら体重は52kg以上必要なわけです。
ちなみに177cmのナオミ・キャンベルさんなら56.4kg以上、178cmの冨永愛さんなら57kg以上必要な計算になります。
この動きに対して、フランスやアメリカは批判的なのですが、イタリアでは同調する動きが広がりました。
イギリスでは、「やせ過ぎと判断されるモデルが露出することによる悪影響」を食事障害防止団体などが訴えていて、ショーの主催者に圧力をかけていました。
日本では特に目立った論争はありませんでした。
「差別だ」という意見もあるようですが、「新しいルール」とも言えなくもないような。私自身はなんとも判断しかねてます。
ただ、BMI指数を判断の基準でなく、健康診断を受けるよう義務づけるのもひとつのアイデアではないかなと思います。
モデルの女性が痩せすぎで亡くなっているのは事実ですし、「痩せすぎじゃないかな?」と感じるモデルさんもテレビなどでしばしば目にします。(それでも健康であれば問題無いのですが)。
重すぎても軽すぎてもいけないとは、「どうすりゃいいんだよ」とモデルさんも大変です。