いわゆる「おじさん臭い」と言われる加齢臭は、「ノネナール」という脂肪酸が原因で発生します。
 
ノネナールは皮脂腺から分泌されますが、40歳以下ではあまり分泌されません。
 
皮脂腺では年齢と共に脂肪酸の量が増えます。それが分解・酸化されるとノネナールが発生します。

年をとると、若いときよりも脂肪酸が酸化されやすくなり、かつ皮膚の代謝が落ちていつまでも酸化物質が残ったままになっています。
 
また加齢とともにノネナール以外の加齢臭原因物質も発生するようになります。
 
つまり加齢臭は年をとる以上はある程度避けられないことなのです。
 
加齢臭というと男性のイメージが強いですが、極端なダイエットなどにより卵巣機能が低下してしまうと女性でも加齢臭が発生することがあります。
 
加齢臭を抑えるためには
 
・脂っこい食事、特に動物性脂肪の多い食品を控える
・緑黄色野菜をたくさん食べる
・タバコはやめる
・過度の飲酒は控える
・生活は規則的に

 
といった心がけが必要です。以下に解説します。

加齢臭を防ぐには 食事ほかの習慣

加齢臭対策となる食事をひとことでまとめるなら、
 
・昔ながらの和食
 
ということになります。
 
日本人は本来、体臭が極めて少ない民族として知られていました。伝統的に日本人が食べていた和食は体臭を生みにくかったのです。
 
ところが戦後になると食習慣が大きく変わり、動物性脂肪を多く含んだ食品も食べるようになりました。その結果、日本人にも体臭が発生するようになったのです。
 
ということで、具体的には
 
・動物性脂肪(バター、チーズ、ラードなど)を避ける
 
のが大切です。
 
ノネナールは脂肪酸が原料になっています。その原料自体を減らすわけです。
 
 
対して積極的に摂りたいものとしては

・納豆や味噌など大豆食品
 
・カボチャ、ほうれん草、トマト、パセリ、人参、ごまなど抗酸化作用を持つ食品
 
・海藻やイモ・キノコ類、ゴボウやレンコンなど食物繊維を多く含む食品
 
・梅干しや緑茶など殺菌作用のある食品

 
といった食品です。
 
これらはいずれも酸化を抑え、かつ殺菌・免疫作用を促してくれる食品ばかりです。和食に使われる食材が多く目につきます。
 
食事以外にも、不規則な生活や喫煙、過度の飲酒、ストレスといった要因は加齢臭を発生させやすくしてしまいます。
 
ストレスは現代社会ではどうしても受けるものかもしれませんが、できるかぎり避ける、あるいは解消につとめると加齢臭だけではなく健康全般に良い影響があります。
 
皮膚を清潔に心がけるのは言うまでもありません。現在は加齢臭対策の石鹸も発売されてしいます。
 
ちなみに「加齢臭」という名称をつけたのは資生堂なんだそうです。
 
これは加齢臭に関る脂肪酸などを資生堂が長いこと研究していたからで、その研究結果を活かしてノネナールの発生を防ぐ加齢臭対策グッズも資生堂は多数販売しています。