横浜市立みなと赤十字病院・耳鼻咽喉科部長の新井基洋医師は、めまいを改善するリハビリ体操を提唱しています。
これまでに10万人を超える人に無償で指導しており、多数の成果をあげています。
めまいの多くは薬や点滴で改善しますし、安静にしていれば治る例は少なくありません。
(このコンテンツは雑誌「週刊女性」2013年10月22日号54~59ページを参考にしています)
しかし、これらの対処を施しても変化がない場合もあります。新井医師のリハビリ体操が効果を発揮するのは、こうした”従来の対処が効かないとき”です。
新井医師のめまいリハビリ体操 基本動作二つ
めまいリハビリ体操の中から、基本の二つを以下に紹介します。
注意するポイントもいくつかあります。
速い横
1 腕を肩の高さに広げて、しっかり伸ばし、肩幅より広げます。手を軽く握って親指を立てます。
2 頭は正面を向けたまま、目だけで左手の親指の爪を見ます。これを「1」と数えます。
3 同じく正面を向いたまま、目だけを動かして右手親指の爪を見ます。これを「2」と数えて、以後数を声に出しながら、10往復繰り返します。
速い縦
この体操では、メガネはかけていても、外してもどちらでもOKです。
1 腕を上下に広げて、しっかり伸ばします。手を軽く握って親指を立てて横にします。目線が上斜め45度と下斜め45度に向くイメージです。
2 頭は正面を向けたまま、上にある手の親指の爪を見ます。これを「1」と数えます。
3 目線だけを動かして、下にある手の親指の爪を見ます。これが「2」です。数を声に出しながら、10往復繰り返します。頭が目線と一緒に動かないよう注しましょう。
横も縦も、数を声に出して数えるのがポイントです。
なぜリハビリ体操でめまいが改善するのか
新井医師は、リハビリ体操によりめまいが治る仕組みをこのように解説します。
頭の左右にある三半規管が、飛行機の左右についているプロペラだとしましょう。
片方のプロペラが壊れて片肺飛行になったとしても、パイロットが優秀ならば立て直すことができますよね。そのパイロットにあたるのが小脳で、バランスの親分です。
ここには体のバランスの左右差を改善する力があるんです。めまいリハビリは、それを鍛える治療なんです。
「鍛えられた小脳」のわかりやすい例は、フィギュアスケート選手です。
1分間に90回転しても、めまいは起こしません。フラつくどころか、笑顔で演技を続けています。
これは普段の練習で、何回も何回も回転することでスケートがうまくなるだけでなく、小脳が鍛えられるからなんです。
だから平気でいられる。私のすすめる”めまいリハビリ体操”とまったく同じ原理なんです。
「小脳を鍛える」と言われてもピンときませんが、フィギュアスケート選手がやっていることを見れば、確かに納得できますよね。
めまいを自分で治す10分体操: Dr.新井「めまい外来」の奇跡 (主婦と生活生活シリーズ)
めまいでお悩みなら、新井医師の体操で小脳を鍛えてみてはいかがでしょうか。