以前発行していたメルマガやこのサイトでは、股関節についてたびたびお知らせしています。
 
肩甲骨とともに、股関節はあらゆる運動で要となるパーツです。
 
私も「腰割り」の動作をボチボチ続けています。

雑誌「ランナーズ」に、股関節を活性化させる「骨盤運動」の記事がありました。股関節を使って走ると「身体が面白いように進む」のだそうです。
 
各地でマラソン大会が開催されるようになり、市民ランナーも増えています。
 
ランナーはじめ、スポーツをする人にあまねく参考になりそうなので、「ランナーズ」の記事を参考に、骨盤運動のポイントを紹介します。
 
(このコンテンツは雑誌「ランナーズ」2015年10月号42~43ページを参考にしています)

股関節を活性化する胴体トレーニング

この骨盤運動は、「ラビットフットランニングクラブ」トレーナーの真田雅之氏が提唱しているもので、身体の中心である股関節にスイッチを入れる狙いがあります。
 
真田氏は20~50代のランナーを指導されていて、自身のフルマラソンベストタイムは2時間29分35秒(2014年板橋Cityマラソン 3位)です。
 
真田氏は過去に護身術のトレーニングも実践しており、そこで「胴体トレーニング」に出会いました。
 
これは胴体を、伸ばす、縮める、丸める、反る、ねじるなど、様々に動かすことで、身体の中心部分の感覚を植え付けるためのトレーニングです。
 
動きとしては簡単なのですが抜群の効果があり、3年ほどそのトレーニングを続けた後、久しぶりに走った真田氏は・・・

「その変化に驚きました。力を入れている感覚がないのに、身体は面白いように進んでいくのです。
 
身体の中心(股関節)から推進力が発揮される、これまでに経験したことのない疾走感でした」

と、股関節を意識した走りに感動します。
 
骨盤を動かして股関節を活性化してやると、脚の可動域が広がってストライドが伸びるだけでなく、身体の中心に近い大きな筋肉を動員した走りができるようになるのです。
 
真田氏が勧める胴体トレーニング(骨盤運動)のやり方は以下のとおりです。
 
1 骨盤を前後に傾ける
・椅子などに浅く座り、両手を骨盤に当てて位置を確認する
 
・胸を反る→背中を丸めるの動作を繰り返す 骨盤が前後に動いていることを確認しながら行う
 
この動作では、肩が上下したり、前後に動かないように注意する。(肩が動くのは、骨盤から連動できていない証拠)
 
 
2 骨盤を左右に傾ける
・同じく椅子に浅く座り、両手を頭の後ろで組み、身体を横に傾け、脇を伸ばす 体重は伸ばす側にのせる
 
・左右順番に行う
 
体重が乗っていないほうのお尻が浮き上がるくらいまで傾ける。身体がねじれると骨盤が左右に正しく動かないので注意。
 
 
動作としてはすごく簡単です。それぞれ5回ずつ、1→2の順番で行います。1日1セットは実践しましょう。
 
会社のデスクや食卓などでの習慣にしても、時間はそれほどとりません。

走る前に 骨盤を動かしやすくするストレッチ

走る前であれば、こういう↓ストレッチを行うことで効果アップも図れます。
 
・足を肩幅に開いて真っすぐ立ち、伸ばしたい側の足に100%体重をのせる
 
・伸ばす側の手を上に上げ、体側を上下に引っ張るように伸ばす
 
・反動をつけず、息を吐きながらじんわりと伸ばす
 
脇腹の筋肉は骨盤につながっているので、ストレッチすることでより動かしやすくなります。
 
真田トレーナーは、「ランナーズ」の記事で次のように語っています。

「人間は身体の末端ほど器用に動かせるため、何も意識していなければ自然と手先・足先を優先して使ってしまいます。
 
しかしランニングにおいて、それは太ももやお尻などの大きな筋肉ではなく、ふくらはぎなどの小さな筋肉に負担をかける走り方。
 
(中略)
 
ケガのリスクも高くなってしまうのです。
 
足先に頼って走るとは、言い換えれば股関節をはじめとした『身体の中心部分』が上手く使えていない状態です」

股関節を使わないスポーツはまずありません。参考にしてみてはいかがでしょうか。